雪華 … Snow Crystal ５

RHAPSODY：２５ ページ39

｢なあ、やっぱおかしくね？｣
｢何が？｣
｢何のこと？｣

ある日の午後…専務と松永さんは珍しく一緒に外出していた

専務は朝からそのせいかちょっと機嫌が悪くて、この2人はホントに仲悪い…

運転手は、今日は本宅の部屋住みの人がしてるらしくてオレら３人はお留守番

外出先でケンカとかしてないといいけど…て窓の外を見ながら心配してると、唐突に二階堂が大声上げてオレと宮田に迫ってきた

｢専務ッ！専務のコトだよッ！｣
｢専務？｣
｢そう！アレから全っ然２人会ってないし、このまま行くと、マジで自然消滅爆走だよ｣

ニカが唾飛ばしながらオレらに訴えかけくる、気持ちと言いたことはスッゴク分かるんだけど…

｢…でも、専務には専務の考えがあってしてる事なんじゃないかな、下手にオレらがシャシャっても逆に拗れない？｣
｢宮田も同意！…こればっかりは2人にしか分かんないコトあると思うよ｣

菜月さんとのやり取りを聞いていたオレには、専務の気持ちがよくわかる…
誰より相手の気持ちを大切にする専務…
きっと、あんな別れをすることになった菜月さんに、今でも申し訳ないと思ってるに違いなかった

そんなすぐ別の人のトコに行けるような人なら、オレらも信頼なんかしない…

ニカもそれ知ってるはずなんだけど、コイツ専務大好きだから、自分が何とかしてあげたいって思っちゃうんだろうな

｢けどさ、会わないまでも連絡すら取ってないって良くないだろ！あの二人絶対好きあってんのに可哀想じゃん！そう思わね？｣

｢思わなくは無いけど…ワッターも様子見ろって言ってたし…｣

アレからもちょくちょくオレ達はワッターの店に飲みに行っていた、ワッターと北山さんが同級生ってコトもあって何となく恋愛相談会みたいになった時、

｢あの2人は出会うべくして出会った互いの運命の存在だ、放っといてもあるべき姿に落ち着く、余計なことせずに黙って見とけ｣

って…ワッターの目には未来が見えてんのか？って思うほどキッパリ断言してきた

オレと宮田は単純だから、そうなのかなぁ…て思うんだけど、二階堂はどうしても引き下がれないみたいで…多分コイツ北山さんにも何か言ってるみたいで…

この前も、ガックリ凹んでるから理由聞いたら

｢ミツにさぁ、もうオレと専務とのコトでオマエがそこまで悩まなくていいって言われた…｣って

どうして好きな人を好きだと言ったらいけないんだ…ニカはそんなヤツだから…



｢いい加減にしろっ！しつこいッ！！｣

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