RHAPSODY:14 ページ28
《サヨナラ、マサキ……》
温度のこもらない声でそう言うと、踵を返し、一度も振り返ること無く去っていった菜月…
その姿が見えなくなっても、オレは菜月の背中を探すように歩き去った方向を見ていた
「専務、あの…大丈夫ですか?」
その場から動かない僕を心配そうに、千賀が様子を伺ってくる、その声で菜月に向けていた意識と視線を千賀に戻した
「…悪かったね、プライベートなゴタゴタに付き合わせて…」
「いえ、ソレは全然いいです…でも、ホントに菜月さんが許さない限り北山さんと会わないつもりなんですか?」
「…自分の想いを優先して、菜月を傷付けたのは僕だ…その報いは受ける…」
「専務は真面目すぎるんですって!心変わりなんか、そんなの誰でも…ッ」
「…イヤなんだ、オレのせいで…誰かが泣くのが…堪らなくイヤだ…」
菜月の泣き顔…そして、北山さんの泣き顔が交互に浮かんでは消える…重なるこの二人の面差しは、よく似ているように思えた
「…専務……?」
訝しげにコッチを見てくる千賀に、僕の方が少し戸惑う…
「どうした?」
「…いえ、専務がそんな風な話し方をするのが初めてなので…」
「…話し方…?僕がなにか変なコト言った?」
「…あ、…えと、そうじゃないんですが…」
千賀はその先の言葉を続かせることは無く、
「あまり自分を責めない方がいいです」
と言って帰っていった
「…疲れた…」
部屋に戻り、着替えもせずベッドにカラダを沈めた…
重苦しさを伴う疲れを取り除く様に、大きく息を吐き、目を閉じる…
目の前に浮かぶのは…その人だけ…
僕達の出逢いは、偶然なのか…?
それとも《必然》…?
《必然…》
…何故だか、前もそんなコトを思ったコトがある様に思えた…
偶然の恋は…必然の愛に……
「…私はアナタ達を絶対に幸せなんかにしない…」
僕を見る菜月の瞳の奥にある、冬の凍てつくような冷たさを思わせるその感情…
雪解けを願うコトは、してはいけないんだろうか…
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» と思っております!予定通り移行になりました!宜しければ続き覗いてみて下さればと思います!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは!いつもコメありがとうございます!はい、かなり無理やり感ありますが、戻しちゃいましたw、ユリ姉さんのネタバレからまた色々ハプニングが起こります、元カノがちょっと…でも主要人物は《みんないい子だよ!》がテッパンなので、なんとかなるのでは (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» ホントにゴメンなさい!ココから辻褄合わせのネタバレ展開になりますw、そしてそして元カノが何やら…宜しければ続き覗いてみて下さいね!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» こんにちは!こちらこそ初めまして!ウチの藤北ちゃん気に入って下さってホントに嬉しいです、ありがとうございます!はい、ちょっとアッサリ記憶戻しすぎたかなぁと思っていますが、こうでもしないと次の展開に行けないのでもしか《??》になられてたら (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - こんにちは。太輔君の記憶が戻りましたね。事故の真相や、菜月さんとの事等 解決しなければいけない事が多いので、大変だと思いますが ハピエになるために必要ですし、これからどうなっていくのか楽しみです。 (2017年3月11日 14時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年2月25日 13時