雪華 … Snow Crystal ５

RHAPSODY：９ ページ23

｢ミツな、じゃオレもソレにしよっと！……なぁミツんちココでいいの？ナビそうなってんだけど？｣

ニカが、アパートの真ん前で止めてくれた
国産フルスモークって、この近辺じゃ目立つなぁｗｗｗ

｢うん、そうだよ、送ってくれてありがと！｣
｢どいたま、ならオレ帰るわ｣

オレが車から降りて、運転席に近づくとパワーウインドウがスルスルと下りた

ニカが顔を出しカッコつけてピースサインをカマしてくる

｢じゃあな、ミツ｣
｢うん｣
｢あのさ腕捻りあげて悪かったな…でもミツのしてるバングルさ、専務とおソロじゃね？、もしか専務からのプレゼント？｣

オレの左手を持つと、意味深な笑いを含ませ袖から見えるバングルに目を落とした

｢おソロ…？｣
｢うん、だってフェザーの彫刻でしょ、間違いないし｣
｢え、ホントに？｣

オレの胸に違和感が湧く…
相澤センセイは、オレにこのバングルを渡す時
｢太輔があの日持っていた｣と言ってた…

なのにどうして雅喜さんがコレと同じモノを持ってる……？

《よく似たモノを見たことがあります…》

と雅喜さんは言ったけど、ソレは自分が持ってるものだと言うことなんだろうか…

｢ミツ、どしたの？｣

考え込むオレを、ニカが不思議そうに運転席から見上げてきた

｢…え、あ、いや別に…ゴメン引き留めて、もう行っていいよ｣
｢う、うん…そんじゃ｣

二パッと笑いながらコーポの駐車場で方向を変え、もと来た道に戻って行った…

見送るオレの横を、この辺ではついぞ見かけない、明らか高級感を漂わせた黒のドイツ車が走り去って行った

オレの横を通り過ぎる時、後部座席の窓が少しだけ下りた気がしたけど、特に何も思わずオレは2階の自宅に入った




｢…なるほどな、ココに住んでるのか…、｣

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