I wish to be your only one … Re:turn ２

Re:９３ ページ47

｢事務所を辞めるのは、自分を変えてみたいと思ったんです…ずっと人のせいばかりにして生きてきたから、コレからはちゃんと自分で責任取れるヤツになりたくて…ソレはチーフのおかげです、…何があっても目を逸らさない、逃げない…そんなチーフを見てたら、自分の生き方にダメ出しめっちゃしたくなりました、…まあ母親からもオヤジを頼むって言われてるし、春からは新しい自分探し…かな｣


また全部イチから始めるのも、楽しそうだ…

藤ヶ谷さんは、少しだけ何かを考えてる様な表情を見せたけど、何度か頷き口を開いた

｢そうか…もう決めたんだな…実は宏光が君が辞めることをとても寂しがっていてね、自分のせいじゃないかって…キミの気持ちを受け入れてやれないコトで、キミが出ていくんじゃないかって…｣

｢え、チーフそんなコト言ってたんですか？｣
｢うん、…宏光は《璃久が弟だったらな》ってずっと言ってるよ｣
｢弟…まあ、それでもいいかな…オレよりだいぶちっちゃい兄貴ですけど｣
｢ふふ、そうだね…｣

けど、ちっちゃいカラダに収まりきれないほどの大きな優しさと強い心を持った…最高にオトコマエな可愛い兄貴…

｢ずっと…好きでいていいですか？｣
｢ん？｣
｢…チーフのコト、コレからも好きでいていいですか？｣

藤ヶ谷さんは、またチーフとよく似た表情でフワリと微笑んだ

｢いいよ、…誰かを好きな気持ちはその人だけのものだから、オレには何も言えないよ｣

｢ありがとうございます……ｸｽ、なら生まれ変わったら今度はオレがあの人迎えに行きますから！｣

オレからの予告挑戦状に、藤ヶ谷さんは口角を上げ不敵に笑った、その表情…ってば、しっかし、…なんかムダにセクシーだなこの人

｢バーカ、調子に乗んな！…誰がやるかよ！｣
｢言うと思った！｣


爆笑のオレら…

そんなオレ達を、キッチン奥のもう一人のイケメンが含み笑いしながら見てた



｢藤ヶ谷太輔の最初で最後、そして最大の恋敵があの子か…うーん、キタミツは来世でも大変そうだ…｣

｢オーナー？…何か言いました？｣
｢いや、なーんも……てか、オレもそろそろそういう人欲しいよなぁ…｣

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