Re:84 ページ38
「来ちまった…」
土日を利用して、南條さんから聞いた病院にオヤジを訪ねた…
聞いたら母さんが入院してたのと同じ病院だった
エントランスを入ると見慣れた光景…
学生時代、母親の世話の為にオレはココに通いまくっていた、ずっとオヤジの帰りを1人で待っていた母さん…今はオレのコトまで独りぼっちで待たせていた、その姿が儚げで可哀想で…
ドア外の名前を確認する…
ノックすると、「どうぞ…」と暫く聞いて聞かなった声がした
ああ、確かこんな声だった…
ドアを開け中を見ると、黒の寝間着を着たオヤジが可動式の簡易テーブルに乗ったトレイを眺めていた
訪ねて来たのがオレだとは思わなかったみたいで、その表情には明らか驚きが浮かんでいた
「璃久…」
オヤジに名前を呼ばれたの、何年ぶりだろ…
そんなコトを思うなんて、ホントにオレら親子なんだろうか…って笑ってしまう
「…久しぶり…」
「何しに来た」
「アンタのショボくれたトコ、笑いに来た」
「ふん、なら生憎だったな、まだ期待に添えてはおらん」
叩く憎まれ口も変わらない…
だけど、数年会わない間にオヤジのアタマにはオレの記憶より遥かに白いものが多くなっていた、意識してオヤジの記事も読まないようにしてたから、オレと変わらないくらいデカかったオヤジのカラダがひと回り小さくなったコトも、スグ気付いた…
弱ってるのは、オレの目に明らかだった…
「…痩せたんじゃねぇの?ちゃんと食ってんのか?」
「大食は悪だ、ワザと食ってない…」
「ウソつけ…左手じゃ満足に食えないんだろ」
殆ど減ってないトレイの中…
箸ではなく、フォークとスプーンが添えてあるのが今のオヤジの状態を伝えてきた
「…違う、今日のメニューは好きじゃない」
プイッとソッポを向いてしまう、子供かよ…
「…ったく、ああ言やこう言う…南條さんが困ってオレに頼んでくんの、よく分かるわ…」
オレの言葉が意外だったのか、オヤジがオレに顔を向けてきた
「南條がオマエに何か言ったのか?」
「……アンタ、右手殆ど使えないんだろ、オレに《HAYAMA》に戻ってほしいって頼んできた、アンタの手伝いをして欲しいって…」
「手伝い…?」
訝しげな表情がオレを捉える…
「アンタの頭にしか浮かばない設計図…ソレをオレの感性も加えて図面に起こしてほしいってさ…オレしかアンタの《共感覚》感じ取れないからって言ってた…」
「《共感覚》…」
「…アンタの血筋のオレしかムリって、説得された…」
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 何かソレに絡んだお話upしたいと思います!宜しければまた他作にも遊びに来てくださいね!コメ大感謝です! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんばんは!コメありがとうございます!璃久の運命の人、どこにいるのでしょうw太輔ダンナが唯一恋敵と認めたので、まあまあいいヤツだと思いますww今は北海道で野外舞台を作ってる設定なんですwそう言えばホワイトデー間もなくですねw《雪華》がオールupしたら (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 充瑠さん» お話をお届け出来ればと思っております!宜しければ、また他作も覗いて見てくださいね!コメ大感謝です! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 充瑠さん» こんばんは!コメありがとうございます!はい、何とか…無理くり終わらせましたw呆気ないわァとポチりながら思ってしまいましたが、ちょこっとでも楽しんでくださってれば嬉しいです、反省点抱えてのupとなりました、またこの夫婦にオファー依頼があればちゃんとした (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - 終わってしまいましたね。 葉山くんが運命の人に逢えたら良かったのですが、 ホワイトデーもあるので、ちょっと期待はしてますが。(。-_-。) (2017年2月24日 14時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年2月12日 13時