Re:79 ページ33
話しろって言われても…今更、なんて言うんだよ…
所長から父さんと母さんの間に通い合っていた想いを聞いてから、少しだけ…オレの中で抱えていた蟠りが薄れていくのを感じていた
だけど、だからと言って「はい、そうですか、では明日から何も無かったように仲良くしましょう」なんてコトになるはずも無く…、加えてもう何年も会ってない父親に自分から会いに行くには、オレにとってはかなり勇気のいる事だった
鎌倉の自宅には、母さんが亡くなってから一度も帰ってない…
あの場所には、母さんが父さんの帰りを寝ないで待っていた思い出しかない…待ってるコト知ってるクセに仕事ばかりに明け暮れ、挙句母さんの最期にも間に合わなかった
だけど、…ソレはオレの思い込みだったんだ…
グルグルと同じコトばかり考えてしまう…
「…会ったって、掛ける言葉なんか見つかんねぇし…」
コンビニで晩メシになりそうなモン買って帰る、学生時代から住んでるマンションに戻るとエントランスに見知った顔があった
「璃久さん、おかえりなさい」
「南條さん…なんでココに…」
「少し、お話宜しいですか?」
エントランスにいたのは、南條 要(なんじょう かなめ)さんだった
親父の秘書兼デザイナー、一時期親父が大学で建築デザイン教えてた時のゼミ生で卒業後はそのまま親父のデザイン事務所で働いてる、今では親父の右腕…なのかな
「良いけど…」
「お忙しいところすみません…」
腰が低くて、人当たりも柔らかい…いい人
母さんが患ってからは、この人が父さんの身の回りと仕事のスケジュールを全て取り仕切っていた
「…それで、オレになんの話?」
「璃久さん、葉山先生が今どういう状態でおられるかご存知ですか?」
唐突に切り出される親父の話題…
南條さんの表情は硬い…流れからして、余り良くない話なのだろうとは想像ついた
「…大学出てから一度も会ってないし、…何?アイツ、なんかあったの?」
「そうでしたね…では一年前に葉山先生が倒れられたのはご存知ですよね」
「…知ってるよ、けどすぐ退院して仕事戻ってただろ…雑誌で見たよ」
南條さんから連絡もらったけど、オレは一度も見舞いに行かなかった、母さんの見舞いに殆ど来なかったあの男…行く必要性すら感じなかった
「璃久さん、葉山先生…その時のコトが原因で、もう殆ど右手が使えなくなっています…図面が、描けないんです…」
「…え?」
「お願いします、どうか葉山先生の元にお戻りください」
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 何かソレに絡んだお話upしたいと思います!宜しければまた他作にも遊びに来てくださいね!コメ大感謝です! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんばんは!コメありがとうございます!璃久の運命の人、どこにいるのでしょうw太輔ダンナが唯一恋敵と認めたので、まあまあいいヤツだと思いますww今は北海道で野外舞台を作ってる設定なんですwそう言えばホワイトデー間もなくですねw《雪華》がオールupしたら (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 充瑠さん» お話をお届け出来ればと思っております!宜しければ、また他作も覗いて見てくださいね!コメ大感謝です! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 充瑠さん» こんばんは!コメありがとうございます!はい、何とか…無理くり終わらせましたw呆気ないわァとポチりながら思ってしまいましたが、ちょこっとでも楽しんでくださってれば嬉しいです、反省点抱えてのupとなりました、またこの夫婦にオファー依頼があればちゃんとした (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - 終わってしまいましたね。 葉山くんが運命の人に逢えたら良かったのですが、 ホワイトデーもあるので、ちょっと期待はしてますが。(。-_-。) (2017年2月24日 14時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年2月12日 13時