I wish to be your only one … Re:turn ２

Re:５０ ページ2

｢おかえりなさい…｣
｢葉山、まだいたのか？…｣
｢…なんか気になって、…一人、ですか？｣
｢ん、岸は帰らせた…泣いちまってな、動揺してるし相当落ち込んでるし…｣
｢…そうですか｣

時計は午後９時になろうとしていた

チーフが謝罪と現場の手配に向かって７時間が経っていた

｢トラックの手配とか全部やってくれたんだってな、ありがとな、お陰で何とか１日遅れの開始で済んだ｣
｢いえ、そんなコトいいです、…チーフがその後の手配全部してくれたんですから…あの、…クライアントと業者さん、大丈夫なんですか？｣

一番気になってたコトを尋ねると、チーフの疲れた表情に諦め感が浮かんだ

｢…あんま大丈夫じゃねぇかな…最悪は施工業者と契約切られるかも…まだ分かんないけどな｣
｢そうなんですか…｣
｢でも許してもらえるまで、謝罪に行くしかねぇから頑張ってみる、…堂本さんが口説き落としてウチと契約してくれた会社だから、腕は確かだし、他業者で難しい工程もここの棟梁はなんなくやってのける、保育園もこの施工業者に頼みたいんだ…｣

ポケットから缶コーヒー出して飲もうとするから、オレはその手からコーヒーを取り上げた

｢なに？｣
｢そんな冷たいの飲まなくていいですよ、余計カラダ冷えますよ、温かいの持ってきますから｣

触れた手は、外気にずっと晒されてたんだろう、指先まで冷たくなっていた

｢はい、どうぞ｣
｢サンキュ……ホントだ、あったけ…なんか元気でるな…ﾌﾌ…｣

チーフはいつもブラック無糖だけど、少しだけ砂糖を入れといた…心まで酷く疲れているように思えたから

｢岸の為にも、契約切られるわけに行かねぇからな、そんなコトになったらアイツ、責任取ってココ辞めるとか言い出すの目に見えてるし…｣

｢許すんですか？岸さんのミス｣
｢アレは岸のミスじゃねぇよ、オレだ…最後の確認を怠ったオレのミスだ、岸のせいじゃない…｣

｢そんなコトばっか言ってたら、いつかチーフ壊れますよ！なんでそんな自分ばっか責めるんですか？相手の責任だってあるでしょ！｣
｢ミスだけ責めてどうする？、この件はミスを防げなかったコトが問題なんだ、自分のコトにいっぱいいっぱいで後輩の仕事に目を向けられなかったオレの責任だ、堂本さんならこんなコト有り得ない……もう遅い、葉山は帰れ｣

｢チーフは？｣


｢今日出ずっぱりだからな、まだ図面引けてないのがあるし、…コレやらないと終わらない…ミスと依頼は別物だから…｣

Re:５１→←GAYASAKURAです。。。

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