121話 ページ29
「ん、…でもXmasに間に合わせたいしさ…ちょっとヘマっただけだし…ゴホッ…ゴホゴホ……」
咳込みが少し多くなってきてる…
ガソリンスタンドなんて、この寒い中…
一通り診察して、特に気になるような兆候も無いようだった
「風邪かな…ま、この部屋見る限り大したもの食べてなさそうだし…ウチ来たら何でも食べさせてあげるのに」
ようやく暖房が効いてきた寝室に連れていき、ベッドに入らせた
「…でも、一人でも生きてけないとさ、…オレはそういうヤツだから…」
「太輔…」
「もう、慣れたし…」
諦めた様な寂しい笑顔…
まだ17歳なのに、こんな表情…
ふと目に入る壁に掛けてる写真…
「雪の結晶…、…コレを北山くんと見に行きたかったの?」
「…うん、見たことないって言うから、Xmas…プレゼント代わりにな…でも、行けんのかどうかわかんね…」
「どうして?」
「なんかさ、…誤解してんだよな、多分…色々…」
「誤解?」
「オレもこんなんだしさ、…なんか、分かんなくて……つい…、あんま人と関わってこなかったから、正直どうしたらいいのかわかんね…」
口許まで布団を持っていくと、そのまま私に背を向けた…
ベッドの端に座って、その柔らかい髪の毛にそっと手を置いた
「…好きなの?」
頭に置いた手に、微かに頷く動きが伝わってきた
「…だからバイト、続けてんだ…こんな熱出すまで…」
「他に何もしてやれないから…ガキだし…、アイツの笑った顔…好きだから…」
ポツリポツリと紡ぐ太輔の言葉には、もう私達が持つことできない《純白の想い》が満ちていた
その事が、余計に私を怖がらせた
もし、太輔が《真実》を知ったら…
慕っていた養父を殺めたのが、恋焦がれてる人の父親だと知ったら…
この子は…その事実に耐え切れずに、壊れてしまうのではないか…
「ユリ……太輔をお願い…もし私の命で、あの子への罪が償えるなら、死ぬことは怖くないの…」
命の終わりに姉が告げてきた言葉…
双子として生まれてきた故に、姉は最愛の存在のどちらかを選ばなければならなかった
その姉の想いを継いだのが、太輔の養父…
その人と姉に何があったのかは誰も知らない
何も無かったのかもしれない
今の太輔には誰もいない
「2人を引き離せ」
母の愛も知らず、養父からの愛も失い、そして…今度は…
一体、太輔が何をしたと言うんだろう…
私には、眠りについた太輔の顔を胸が締め付けられる思いで見つめるしかなかった
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GAYASAKURA(プロフ) - さらさん» 連コメありがとうございます!あと3話で終わるといいのですがwメンタル強化ありがとうございます!松永ってば、何やらかすつもりなんだか、変な関西人も出てきましたし、今日中には学ラブ編ENDと行きたいのですがw宜しければ続き覗いてみてくださいね!コメ大感謝! (2017年1月21日 17時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 未来さん» こんばんは!コメ&お知らせありがとうございます!あ、またやらかしてましたw早速直しましたぁ、運命のクリスマスが間もなくやってきます、学ラブもやっと終わりです、ダラ長くてホントに申し訳なかったと…宜しければ続き覗いてみてくださいね!コメ大感謝です! (2017年1月21日 17時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ハッ!学ラブ編があと7話ということは高校生藤北のピュアラブが残りわずか…!うー、心臓に毛を生やして待ってます。(すでに138話最後の松永のセリフで “あーあーあーあー”ってなってます(涙)) (2017年1月21日 16時) (レス) id: f3ad69d823 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 久コメです。2人が今後どうなっていくのか心配ですね!?m(._.)m後、131が2つあるような気がするんですけど、私の気のせいだったら、ゴメンナサイm(._.)m (2017年1月21日 14時) (携帯から) (レス) id: 546aa22f8e (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - さらさん» 学ラブ編は間もなくラスト…でもあと7話で終わるかな。ちと不安ですが頑張ります!宜しければ続き覗いて見て下さいませ!コメ大感謝です! (2017年1月21日 12時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2016年12月17日 23時