１１７話 ページ25
｢ありがとうございます、満タンですね｣
一通りの接客用語…寒いせいもあるのか中のヤツは誰一人降りてこない
なるべくヤツらの顔を見ないように帽子を目深に被って接客する
｢灰皿とか大丈夫ですか？｣
｢おお、なら頼むわ！｣
｢タオルどうぞ…車内拭いて下さい｣
｢すまんな、にぃちゃん、気ィ効くなぁ｣
別に単なる接客なんだけど…
お客様の喜んでくれるコトを…が社長のモットーだから
灰皿返してタオルを受け取る
直ぐに車のエンジンがかかった
とりあえず何も無かったな…
ホッとして、帽子を元の位置に戻すと
｢にぃちゃんエエ男やんけ、名前なんて言うんや？…ふじ、がや？｣
胸元の名札を見て、運転席の男が聞いてくる
｢あ、はぁ…｣
その時、ずっと閉まっていた後部座席の窓が下りた
切れ長の酷薄な目…
オレをその照準に捉えてる
その社会の人間を少なからず見てきたオレでも、その男が纏う雰囲気は格段に違うことが分かる
背筋を通り抜けるゾッとするような視線…
｢…ムダ口はいいから早く車を出せ｣
｢は、はい…｣
低い…よく通る声…
そして一言で周り全てを威圧出来る迫力…
粘りつくようなその視線を避けるために、オレはまた帽子を目深に被り直した
｢どっちに行きますか？｣
ドライバーに尋ねると
｢ああ、高速に乗るわ｣
の返事
行き先を確認して道路に誘導する
後部座席は、その間も窓を下ろしたままだった
｢じゃあな、にぃちゃん！｣
｢ありがとうございました、オーライ！大丈夫です！｣
テールランプの流れる光を見送りながら、オレはホッと息をついた
｢あの男…何なんだよ｣
去り際ギリギリまで、オレを見てた…
表情一つ変えないことが、余計にオレの不安を煽る…
｢太輔、時間だぞ！今日もありがとうな｣
社長の声がオレをいつもの空間に戻してくれた
気のせいだよな…
ドライバーがヤケに気安く話しかけてくるからムカついたんだろ…
そうに決まってる…
｢ううーさみぃ…｣
すり抜けて行く風の冷たさが一層酷くなってきた
帰って風呂入って寝よ…
見上げる空は、凍てつく空気の冷たさが作り出す澄んだ色を帯び、キレイな星を見せてきた
｢もうすぐXmas…か…｣
｢…こんな所にいたのか、…あの顔、間違いない……如月のもう一人の息子…藤ヶ谷太輔だ…｣
｢上條さん、何か仰いましたか？｣
｢…いや、…探し物は意外と近くにあるものだと言っただけだ…｣
どうやらツキはオレに向いてきたな…
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GAYASAKURA(プロフ) - さらさん» 連コメありがとうございます！あと３話で終わるといいのですがｗメンタル強化ありがとうございます！松永ってば、何やらかすつもりなんだか、変な関西人も出てきましたし、今日中には学ラブ編ENDと行きたいのですがｗ宜しければ続き覗いてみてくださいね！コメ大感謝！ (2017年1月21日 17時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 未来さん» こんばんは！コメ＆お知らせありがとうございます！あ、またやらかしてましたｗ早速直しましたぁ、運命のクリスマスが間もなくやってきます、学ラブもやっと終わりです、ダラ長くてホントに申し訳なかったと…宜しければ続き覗いてみてくださいね！コメ大感謝です！ (2017年1月21日 17時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ハッ！学ラブ編があと7話ということは高校生藤北のピュアラブが残りわずか…！うー、心臓に毛を生やして待ってます。(すでに138話最後の松永のセリフで “あーあーあーあー”ってなってます(涙)) (2017年1月21日 16時) (レス) id: f3ad69d823 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 久ｺﾒです｡2人が今後どうなっていくのか心配ですね!?m(._.)m後､131が2つあるような気がするんですけど､私の気のせいだったら､ｺﾞﾒﾝﾅｻｲm(._.)m (2017年1月21日 14時) (携帯から) (レス) id: 546aa22f8e (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - さらさん» 学ラブ編は間もなくラスト…でもあと７話で終わるかな。ちと不安ですが頑張ります！宜しければ続き覗いて見て下さいませ！コメ大感謝です！ (2017年1月21日 12時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2016年12月17日 23時
