l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…４５ ページ48

｢Mr．フジガヤ、この方は…？｣

少し後ろにいたギルバートが、オレに聞いてきた

｢ああ、トモセンセ、オレの後輩のギルバート＝オーウェン、この方はDr．トモヒサ・ヤマシタ、オレの…大切な恩人だ｣

｢恩人て…何のだよ｣

プッてトモセンセが吹き出した

｢恩人だよ、オレと宏光の｣
｢お節介好きのイタい男ってか？｣
｢イケメンキューピットだろ！｣

笑い合うオレ達を、何となく見ていたギル、少し考えてる風な顔をしていたけど、ふと、何かを思い出したような表情をした

｢Dr．ヤマシタ…確か小児医療の学会誌に論文を発表されておられました、たしかご専門は《発達障害児の心のケアと社会共生への体制の確立》でしたよね、大変興味深い文献で、拝読させて頂きました｣

トモセンセの表情が、ギルの言葉にピッと引き締まった

｢ありがとう、読んでくださったんですね、…ココのクロフォード会長は、小児医療に深く心を寄せてくれてる方で、そういった障害を持つ子供達が、安心して暮らせるための施設や新薬開発に毎年多額の寄付をして下さってる、オレのコッチの先輩が、その関係でクロフォード会長と知り合いでさ、今日は先輩の代わりにオレが越させて頂いたんだよ｣

オレとギルの顔を交互に見ながら、トモセンセは思慮深い表情を見せた

｢どんな子どもも、社会の宝だ…どの子も必ず光る可能性を持ってる…その輝きを磨く手伝いができたらなと思ってる…｣

トモセンセの純粋で嵩い志に、オレはやっぱりこの人には絶対敵わないな…と思う、そして同時にこんなにも人として、男として尊敬出来る人に出会えたことに対して、感謝の気持ちも…

｢やっぱりスゲェな、トモセンセ…カッコ良すぎ！宏光いたら、オレよりトモセンセ選びそうでヤバイな｣

｢バカ、なーに言ってる！仮にアイツがオレ選んだって、オマエ全力で取り返すだろ！｣
｢当たり前！渡すかよ！｣

クスクス笑いながら話していたけど、

｢そういやヒロミツは？元気にしてんのか？｣

｢ああ元気だよ、今コッチに来てる、今日はお留守番！｣
｢…そか、オマエそういや誕生日だったな｣
｢うん！今年は2人でお祝いだ、前貰ったトモセンセからのビンテージ、めっちゃオレのスペオキ＆ヘビロテしてる｣
｢そか、こだわりデニム、オマエ好きだもんな、ならまたツヨシさんに頼んで送ってやるよ、誕生日プレゼントでな｣

｢マジ？めっちゃ嬉しい！｣




Ｐｒｒ…

不意にトモセンセのケータイが鳴った…



｢…ヒロミツ？｣

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