l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…３８ ページ41

｢いけませんか？私にとっては恋愛や結婚はある種の契約です、契約を結ぶことでお互いに利益をもたらし、得るものがより多ければそれに越したことはないでしょう、愛などいつか冷めます、ですが契約は絶対の価値を持ちます、私にとって、パートナーとなるべき相手に愛は要りません、契約に沿って行動して貰えればそれでいいので｣


澱み無く自論を展開してくるギル…

この男は多分ホントに…本気でそう思ってるんだろうなって言うのがわかる

神が創り上げた類い稀な天才って、こういうヤツなんだろうか…



ここまで分かり合えないと、もう、なんとなく笑えてくるレベル…


クス…と忍び笑いをした時



｢Mrフジガヤ、なにが可笑しいのですか！？｣

キレイなカタチの眉をつり上げて、ギルバートが銀縁のメガネの奥から睨んでくる

だけど、こんなヤツに睨まれたからと言って…特にオレは何も感じない



｢別に…だけどギル、寂しくないのか？オマエは誰も愛さない…そして誰からも愛されない、お前がこの先、どれだけ仕事や人生に成功しても、誰ともその喜びを分かち合うことは無い…どんなに努力して勝ち得たものがあっても、その後ろにあるオマエの苦しみや辛さを理解し、共に感じてくれる人は誰1人いない…虚しくはないのか、お前は…？｣


ギルバートのブルーの瞳が、一瞬だけ揺れたように見えた…

何か伝わったのか…と真っ直ぐにその瞳を見ると、すぐに逸らされ


｢Mr,フジガヤと私は違います、私は今、アナタと恋愛論を戦わせる気はありません、…間もなく到着です、今日のパーティ、どうぞ宜しくお願いします…｣

抑揚の無いギルバートの声…感情の変化はほとんど分からない…


何か少しだけ、無機質なギルの心に入っていけるかと思ったけど、錯覚だったみたいだな…きっとコイツとオレは、どこまで行っても分かり合えないだろう…そんなヤツもいるんだ…


ギルバートは何を思ってるのか…、到着するまで視線を車窓に向け、一切オレの顔を見なかった、オレも特にそれ以上話すコトもなく、手元の資料に目を移し、休暇モードのアタマに細かい情報を叩き込んだ




パーティ会場のホテルが見えてくる…



滑り込むように車が着けられたエントランス…




オレとギルバートは、戦いの場に足を踏み入れた…

ヒカル…３９→←GAYASAKURAです。。感謝感激晴れキスマイ！！ww

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