l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…３５ ページ37

そこからは、クライアントの現状と謝罪内容の確認、契約締結に向けての様々チェック…ギルバートにEメールで保有してるクライアントの情報を全てをコッチに転送させ、オレはパーティの時間までに出来うる限りの準備をした…そのお陰で、午後からは書斎にカンヅメ

昼メシも、ひろに部屋に持ってきてもらった

…くっそぉ、せっかくのひろとの休暇なのに、なんであんなヤツの為に時間使わなきゃいけねぇんだ！グツグツ煮上がるオレ…

全ての準備が整ったのは夕方近くだった

それが済むと、ギルバートの迎えの時間までに着替えが待ってる

ドレスコード…確かブラックタイ着用だよな…タキシードどれにするかな…

寝室の隣りのウォークインクローゼットに入った

仕事柄、正装用の服は何着か揃えてある…

｢…コレにするか…｣

その中から、オレはふと目に付いた一着を手に取った

シャワー浴びて、髪乾かしてパーティ仕様にセット…今は短めにしてるから、ワックス馴染ませて流せば、とりあえずそれなりに仕上がる感じ…


宏光は、キッチンでヒカルと自分の食事の用意をしてるみたいだった


このタキシード…アイツ覚えてるかな


袖を通し、鏡でネクタイの結びを確認してた時、ドアがノックされた

｢太輔、迎えの人、何時に来んの？｣

入ってきた宏光が、オレの姿を見るなり｢あっ…｣て顔をした、覚えてるっぽいな(笑)

｢…太輔、そのタキシード…｣
｢うん、覚えてる？｣

そう尋ねると、宏光はホントに懐かしそうな、嬉しそうな表情を見せてくれた

｢…覚えてる…あの教会で、アイツら全員にオレと太輔が家族になったの見てもらった時のだ…｣
｢せっかく宏光といるからな、今日はコレで行くわ、ﾌﾌ…似合う？｣

オレ的には、宏光が辛口なツッコミしてくるかと思ってたんだけど、一瞬間が空いて、いきなりオレの胸に飛び込んできた

勢いづいたカラダを受け止める…あの日と何一つ変わらない宏光への愛しさが、胸に募る…

｢ひろ…｣
｢めっちゃ似合う…｣

それだけ言って、オレをギュッてしてきた

オレと同じように、宏光もあの日を思い出してるんだろう…待って待って待ち続けた、オレと宏光の《今》が重なった日…


｢だろっ！オレもそう思う！｣
って返すと
｢…自分で言うとか、ウッぜ！｣
って、言い返してくる…なんだよ、最後はやっぱ塩かよ(笑)


けど、部屋出る時

｢やっぱオレの太輔が、最高カッコいいわ…｣

って呟いてたの、聞こえてしまいました！

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