l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…３４ ページ36

｢私の指導係はあなたです、部下の不手際の責任は上司が取るべきです！この契約は伯父であるCEOが強く望んでおられるコトです、あなたが来てくだされば、クライアントは契約すると仰ってます！私の非は認めますので、どうぞパーティには出席して下さい｣


ハアあ？なんだよ、その言い方はっ！

非を認めるとか…絶対思ってないだろっ！


ただこのクライアントは、オレがこの会社に入って一番最初に契約を交わした企業で、ココのトップは、小さな会社からコツコツと業績を伸ばし、今や業界のトップに躍進させた程の敏腕経営者で、心意気も経営理念もホントに尊敬出来る人だった…契約締結後も何かとオレに声をかけてくれて、他業種のトップに合わせてくれたり、ホントにオレの人脈を広げてくれた恩人のような人だった…その人をアソコまで怒らせるなんて、コイツの思考パターンはどうなってんだ？


仕方ない…ギルバートや会社の為でなく恩人の為に動くなら…と、オレは渋々了解した


｢では、ソチラにお迎えに出向きます｣
｢ああ？来なくていい、現地集合だ｣
｢ソレは困ります、ドタキャンなどされると、私の立場がありますので｣
｢オマエの立場なんか、すでにもう無ぇだろっ！！寝ぼけてんのかっ！｣
｢なんとでも、では７時にお迎えに行きますので！｣


淡々と話を勝手に進めていくギルバート

何なんだよっ！このあからさまに上からな態度！ムカつくムカつくムカつくっ！


頭に登った血がひとまず下がるのを確認して、オレはため息をついた…


…とりあえず、ひろに言わなきゃな、急に決まったけど、ヒカルと２人…夜大丈夫かな…


思い出すと噴火しそうなギルバートの顔を地底に押しやり、リビングに戻ると急遽決まった予定を話した


｢そか、仕事なら仕方ないよな…休暇なのに大変だな…オレとヒカルなら大丈夫だよ、心配すんなって！｣

｢なるべく早めに帰るからな…悪いな｣

｢何言ってんだ！パーティか、美味いもんいっぱい食ってこいよな！｣


明るい顔でそう言ってくれる宏光…


さっきまでの腹立だしさが、宏光の笑顔で消えていく…ホントにオレの栄養剤みたいな存在、

｢ありがとな、ひろ｣

キュッと抱き締めてキスすると、嬉しそうな顔してオレの頭ポンポンしてくる…

｢…キレイな人いても、ぜってぇ浮気すんなよ｣


って目ヂカラ込みで、釘刺されましたけど



…するかってーのッ！

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