l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…２ ページ3

「…ご気分はいかがですか？」

暖かいミルクティを運んできてくれたＣＡが、心配そうな顔で、手渡してくれた…

「…大丈夫です、すみません…」

「何かございましたら、お呼びくださいませ」

「ありがとう…」

一口だけ含み、けど、それ以上飲む気になれなくて、オレは座席に付いてるテーブルにソレを戻した…


アメリカ行きの飛行機…太輔の配慮で、ビジネスクラスでの移動となった…


広目の座席にカラダを伸ばし、オレは窓の外を見た…



当たり前だけど、外は真っ暗で…なにも見えない…小さな窓に映るのは、とんでもなく変な夢を見て疲れきってる自分のカオ…

日本にいるときは、夢なんて、起きてすぐに忘れるてるか、思い出すことすらしないのに…


やっぱ、未だに慣れない一人旅だからかな…


にしたって…


「なんなんだよ、あの夢は…？」



子どもが欲しいって……そんなコト、太輔一回も言ったコトねぇのに……やけにリアルなあの表情……



……太輔と家族になって、二回目のアイツの誕生日

一回目は、日本のオレたちの家で《いつメン》みんなで、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎになった


横尾さんが、太輔の似顔絵の入ったサプライズケーキ作ってくれて、料理も食べきれないくらい作って持ってきてくれた

プレゼントも、それぞれが持ち寄ってくれて

ニカとケントからは、紺色のシルクのパジャマ、横尾さんからはネクタイ

宮玉は……なんつーか…安定の《ゴムとローション♥のセット》


オレ？…オレのは…ナイショ！…まぁ太輔がオレからもらって一番喜ぶモノって言えば、大体わかるよなww…


途中、トモも太輔が帰ってきてるの知って、パーティに参加してくれた

父さんとトモと剛さん三人からは、太輔が泣いて喜びそうな《ヴィンテージデニム》…これ、ホントに欲しかったアイテムみたいで、アイツその日枕元に置いて寝てたくらいだもんなww


今年は、二人で過ごそうって決めて、オレは太輔のＢＤ挟んで１０日間、事務所の代表である父さんに休みをもらって、渡米していた…

太輔もそれに合わせて休暇を取ってる


二人っきりの、太輔のＢＤ…

オレは楽しみで仕方なかった…


太輔は持ち前の努力と才能で、大きな契約を次々取ってるみたいで、その忙しさは、オレの想像を遥かに越えてる…それこそ毎日分刻みのスケジュールで動いてるらしかった


TELできる時間も、今は限られてきてて…



だから今回の休暇は、太輔と過ごせる久しぶりの時間だったのに…

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