l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…１２ ページ14

「え、どしよっ！ヒカル、ヒカル泣くなよぉ」

…って言っても、そんなの通じるわけ無くて、ピギャピギャ泣いてるヒカルに、オレは完全白旗だった

「どしたの？なんかあった？」
「わかんねぇよぉ太輔ぇ、ヒカル泣きっぱだし、オレどうすりゃいんだよぉ！」

コンシェルジュから何通かの封筒を受け取った太輔が、ヒカルの泣き声に驚いて急ぎ足で戻ってきてくれた

あちゃーて顔して、すぐにベビーカーからヒカルを抱き上げると、空港でしてたみたいに背中をポンポンしながら、ヒカルのほっぺに顔を寄せ

「ヒカル、大丈夫だから…よしよし…泣くなって…なぁヒカル…いいコだから泣かない…」

柔らかそうなヒカルの髪を撫でながら、太輔は温かい眼差しをヒカルに向けていた

どうにか泣き止んだヒカルが太輔の顔を見上げると、

「偉いなヒカル！」って言って、オデコにチュってキスしてた……いいな…

オレ、まだ…してもらってないんだけど……


(゜ロ゜)ハッ！

って、なに言ってンだぁオレっ！
自分の考えてることが疚しすぎるっ！いかーん！

邪な発想をブンブン首振って、振り切る！

そんなオレを、ホントに楽しそうな顔して見てくる太輔…

「宏光…さっきから顔変わりすぎ」

太輔のツッコミに、グッて言葉が詰まる

「るっせぇよ！…あ、エレベーター来た」

なんか恥ずかしくて、とりあえず太輔とヒカルから顔逸らしてエレベーターに乗り込んだ…


その外観に相応しく、大きくて豪華な空間のエレベーター…

なんとなくオレは、二人からちょっと距離を置いた位置に立った、

ドコ見ていいのかわかんなくて…変わっていく階数表示に目線を向けてると、なんとなく視線感じてチラッとその方を見ると、ヒカルの大きくて真ん丸の目がオレをじーっと見ていた


な、ナニ？

なんかまたヤラカシたか？オレ！



慌ててまた視線を違うとこに向ける…そんなオレを見ながら、太輔のクスクス笑いが聞こえてきた


エレベーターが最寄り階で止まった


扉が開くと、すぐに大きくて豪華な木製の扉がある…このフロアは太輔の住まいしかない


暗証番号を入れてセキュリティの解除をすると、太輔はドアを開け、オレを先に入れてくれた

相変わらず、リビングに続く廊下ですら戸惑うほどの広さ…

リビングへのガラスの大きなドアを開けると、
著名なデザイナーの家具が整然と置かれてる空間に、以前は無かったベージュのラグと、幾つかの玩具や可愛いヌイグルミが、俺たちを出迎えてくれた

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