ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

８７話 ページ39

「あ、やっぱオレよか早く来てるし！」
「オマエがおせーんだろっ！」

日曜日…久々バイトも休みで、オレはハルと一緒に買い物に来ていた

「宏光早すぎだろ…約束時間２０分前とかどんだけだよ、あ、そうか、そんなにオレと会うの楽しみだったのか、なるほどなー」
「おま、勝手に言ってろ」
「ちぇ、オレ見つけた時の可愛いカオ見たいのに、よし、次は３０分前に来よう！」
「しねーし、そんなカオ」
「ソコはしろよ！てか、してくれ！」

…あのころと同じ…何でもないことに二人で笑って…俺たちの時間は確実に戻り始めていた…

「ハル、何買いてーの？」
「ん？特に無い…とりあえず宏光と出掛けたかっただけ」
「なんだソレ」

…他愛もない会話とハルの笑顔…、ふとハルの足が止まった

「なに？」
「この店さ、今度ラブ・アゲとコラボしてクラブでファッションショーと展示会開くんだよ、ちょっと入ってみるか」
「え、ココって…」

渋るオレを？な表情で見ながらも店に入っていくハル…気まずいな…

「いらっしゃいませ…あ、ハルカさん！」
「こんにちは玉森くん、この間は打ち合わせ長引いて悪かったね…店長は？」
「…奥にいますよ…って、…え？…北山…さん…？」

…ハルの目がチラッとオレに向いた

「宏光のコト知ってるの？」
「あ、はい…前にガヤ…太輔さんと来られた時、紹介してもらって…」
「太輔？…そうなんだ、…宏光、ちょっとオレ挨拶してくるから待っててくれる？」

そう言って、ハルの手が俯いてるオレの頬に添えられる…玉森の目がソレに反応したのがわかった…

「…ガヤじゃなかったの？」

ハルが店の奥に入っていくと、不機嫌そうな玉森の声がオレに向けられた
「ガヤの気持ち知ってんだろ？なんでだよ、オレてっきりアンタもガヤのコト好きだと思って…だから…っ」

「別にいいじゃねーか…オマエに関係ねーだろ」
「は？なんなんだよ…ガヤ、あんなにアンタのコト想ってんのに…他のヤツ一切寄せ付けないくらい…ずっとアンタだけ見てんのに、よりによってハルカさん？なんで？」

玉森の苛立ちが…オレを同じように苛立たせる…そんなコト…言うな…っ

「なら、オマエが太輔の傍にいてやればいいじゃねーか」
「好きでもないヤツと一緒にいて、誰が幸せなんだよっ！同情なんかで傍にいられてもお互いメーワクなだけだろ！」

玉森の言葉に、何も言い返せなくて…気付いたらハルが隣にいて、オレを抱き寄せるように肩に手を置いた

「おいで…宏光」

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