70.強さを求めて ページ20
『怪我の具合はどう？』
『よくなってきてるよ。もう少ししたら退院できるらしい』
『当分の間、サッカーは控えなきゃいけなくなりそうだけどな』
彼らの病室に顔を出すのは、部活が終わった夕方の時分。
ベッドからあまり動けない二人に、Aはいつも見舞いの果物を持って行っていた。
その果物をつまみながら三人で談笑する時、いつも病室には和やかな空気が満ちていた。
主な話題はサッカーだったが、チームや学校での様子を話し合う時もあった。
『治ったらまたみんなでサッカーしよう』
『あぁ、そうだな』
『約束だ』
夕日で茜色に染まる病室で交わした約束。
あの時の二人は確かに笑っていた。
なのに……。
「どうして……」
どうしてこうなってしまったのか
あの時確かに、二人は優しい笑みを浮かべていたはずなのに
「どうしてアンタらが……！」
曇天の空とは正反対の青い瞳が揺らぐ
あの時は優しさを帯びていた彼らの目は、今は狂気を帯びていた
重い空気の中、パンッパンッと乾いた音が響いた。
「感動の再会ってやつだねぇ」
「では、元チームメイト同士……仲良く話したまえ。またあとで会おう」
そう言い残して、不動と影山は去っていった。
「何故だ……何故だ!? 何故お前たちがアイツに従う!?」
「強さだよ」
鬼道の叫ぶような問いかけに源田は淡々と答えた。
その目には感情が感じられない。
円堂も二人に向かって怒鳴った。
「強さ？ 強さだけを求めた結果が、あの影山のチームじゃなかったのかよ!?」
「俺たちは、そこから新たな一歩を踏み出したはずだろう!?」
「フンッ……」
「俺たちを見捨てて雷門に行ったお前に、何がわかる」
「っ……違う！ お前たちを見捨てたわけじゃない！俺は…自分が許せなかった……チームメイトを助けられなかった自分が……だから……！」
しかし鬼道の心からの声も、今の二人には届かなかった。
「綺麗事を言うな！ あの世宇子に勝ちたかっただけだろう。お前が欲しかったのも……強さだ！」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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女アスパラ - すごく面白いです‼‼‼‼つずきまってます (10月22日 20時) (
レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
麗乃(プロフ) - 面白くて続きが気になります。更新待ってます‼ (2022年4月10日 13時) (レス) id: f8afe95a72 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます！ (2020年11月22日 16時) (レス) id: eec8bbc77e (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 妖怪ウォッチの作品共々更新再開お願いします｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2020年7月19日 0時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 此方の作品も更新お願いします。 (2020年5月3日 3時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AZUSA | 作成日時：2017年12月4日 23時
