月下美人の君.2

鏡花水月.4 ページ2

蒙恬 「ふぅぅ〜〜…それで…。
王賁はAのことどう見る？」


王賁 「……いつもとだいぶ様子が違った。
…何かあったのか。」


蒙恬 「…多分ね。俺も気になって、部下に探らせたら、大きな獲物が釣れたよ」

王賁 「なんだ、早く言え」

蒙恬 「……もぉ。Aのことになると、本当性格変わるよね…。(俺も人のこと言えないけど)


見つけたのはあくまで噂の話だけど、
…A一族の生き残りがいる…って話」


王賁「…！…あのA一族だとッ。
だが、Aとなんの関わりがある…？」


蒙恬 「これは俺もあんまり話したくないんだけど…
AはA一族の生き残りだよ。」

王賁 「…！……なるほど。」


驚きはした王賁だったが、実際に手合わした際の彼女があの一族と聞いて、どこか納得してしまう自分がいた。

蒙恬 「あれ？意外と驚かないんだね。
まぁ、それでさ…多分、Aをここ最近悩ませてるのはその噂が限りなく黒ってこと。」


王賁「…前置きが長いぞ。さっさと本題に入れ。
俺に話したということは、何か理由があるんだろ」


蒙恬 「察しがいいね。…俺の見立てじゃ、あと数日もしない間にAは城を飛び出して、一族のもとにいく。」


王賁 「…！」


蒙恬 「今では必死に自分を押し殺してるみたいだけど…。Aの性格を考えると、今日にでも出立しそう」


王賁「……それで、俺と手を組みたいと？」



蒙恬 「話が早くて助かるよ。
本当は俺一人でなんとかしようとしてたけど、
Aの事情を軍を晒すわけにはいかないしね…人出は多い方がいい」


王賁「………………わかった。」




蒙恬 「……。本当王賁って、Aと会って変わったよね」


王賁 「…お前こそ。一人の女にそこまで手を焼くことなどなかっただろ」



蒙恬 「はははっ。だってA、可愛いーんだもん♪」


王賁 「今は見逃してやるが、Aを泣かせるような真似をしたら、命はないと思え」


蒙恬 「俺がAにそんなことするはずないでしょ？」


名家の付き合いで幼馴染として、幼少の頃から互いを知っている二人だったが、Aという存在がこの二人の関係性にも変化をもたらした。

お互いに譲る気なんて毛頭ないが、
彼女が笑っていられるように共闘する夜だった。

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