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「あーあ、そんな声出されちゃ早速約束破りたくなんじゃん。あー、しなきゃ良かった…」
はぁ…、と溜め息を吐きつつも中々抱き潰されている私の上から降りようとしない悟
なんとか顔を横に向けて気道だけ確保する
「…はぁっ、どけ、はぁ…は、 退けてっ」
「いいねえ」
楽し気な悟の声に、何が？！と思うが反論する体力はなく
パタリと力が抜けた私に、やっと諦めた？なんて笑いながら漸く身体を退かしてくれた
ふわりと新鮮な空気が肺に送られる
「手続きは一通り終わったよ…名義の変更とかも僕が居れば充分だったし」
「……」
あれ？
悟の言葉に違和感を覚えた私は小首を傾げた
名義の変更に悟だけ居れば充分…？
嫌な可能性が頭を掠める
「……まさか」
「あれー、気付いちゃった？流石早いね！」
カラリとズボンのポケットから折り畳まれた一枚の用紙を取り出した悟
それはまるで一度握り潰されたかのように皺だらけになっていた
「あれから直ぐに取ってきたんだよねー。良かったよ、正式に受理される前で」
目の前に見せ付けるように開かれた記入済みの離婚届に開いた口が塞がらない
確かに正式に受理されるまでの数日は取り消しが可能と聞いたことがある
けどまさか現実として回収しているなんて想像にもしてなかったのだ
離婚をしていないのであれば配偶者としてある程度の手続きは可能だろう
住んでいたアパートは一定期間の前払いで詳しい身元の確認は必要としないブラックだったし
免許も持ってないため、正式に離婚できたことを疑わなかった私は住民票を確認する必要もなかった
ああ、せめて明日いく予定にしてた転居届けを今日にしておけば…いや、結果は変わらなかったかもしれない…
人知れずうちひしがれそうになるが、後悔してばかりいられない！とすかさず悟が持っている用紙に手を伸ばす
が、私が悟を出し抜けるはずはなく
ひょいっと軽々避けられ掠りもしなかった
そしてーーーー、 ボッ
少し前のピルのように灰となって消えていった
いつでも処分出来ただろうに、態々私の前で灰にするなんて悪意と恐怖しか感じない
「もう逃がす気ないから」
悟に対する愛情が残ってるのかどうか
今の私には分からなかった
でもひとつだけ言えることは、私はどうしようもない重責を抱くこの他人を本当の意味で見捨てることは出来ないということ
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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます！！是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (
レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！！続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります！パスワードを教えて頂きたいです！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました！ パスワードを教えていただけないでしょうか？ (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月26日 0時
