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姉が高専へ入学してからも私は離れで暮らしていた
大多数の子供が高校へ行く時期になり、私も使用人から両親からの二択を迫られる
高専へ行くか
遠縁の家で下女として働くか
正直どちらでも良かった
ただ、姉と同じ選択をしたら笑い掛けて貰えるんじゃないかと漠然と思っただけ
それにこのまま死んでいくんなら、誰かの助けになって死んだ方が誉めて貰えるかもしれない、という打算で
両親とは言葉を交わすことなく高専へ入学した
そこでも姉は眩しかった
姉を見習って鏡と向かい合って笑顔の練習をしようとしたが、長年動かすことのなかった表情筋はやはり怠慢化していて自然な笑顔を造ることは叶わない
今思えばとんだ笑い話だ
『ふーん、オマエが瑞季の妹ねー。似ても似つかねーな』
初対面でそんなことを言ってきた悟はビックリするくらい強くて、自信満々で、正直な人だった
私は人生で初めて恋というものを経験したらしいがその時はまだそれが何なのか知る由もなかった
私の目はいつも悟を追いかけていて、
悟はいつも姉を目で追っていた
…だからその大好きな瞳が自分に向けられる日が来るなんて期待も想像もしていなかった
だけど
『なあ、俺と付き合えよ』
私が卒業すると同時に言った悟に真面目に『何処にですか？』と聞いたらガシッと頭を掴まれた『どこへじゃねーよ。付き合えって言ってんの、コ・イ・ビ・ト！分かる？』とドスを聞かせた声で言われた
“恋人”なんて知識としてしか知らなかった私は真に受けて、悟は姉を好きだと思っていたがそれは私の勘違いで悟も私のことを好きでいてくれたのか
そう思った
だけど私の勘違いでも何でもなかったことを知る
『瑞季……っ』
情緒の最中に悟がそう呟くのを聞いた時、自己嫌悪で吐き気がした
驕っていた自分に対して
知っても尚このまま夢が覚めるまで浸っておこうと思ってしまった自分に対して
そうだ、思い返してみろ
悟は私が好きだなんてひと言も言ってないじゃないか
姉の所へ向かう悟に手を振り払われた時、ようやく夢から覚めることができたのだ
そうだ、私は意味のある死を望んでいた
たとえ意味がなくても、戦って死ぬんならもうそれだけで良かった
誰にも迷惑掛けずいなくなれるなら
ああ、早く虚無に溶けて消えてしまいたい
まるで母を切望する子供の様に
強く願った
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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます！！是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (
レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！！続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります！パスワードを教えて頂きたいです！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました！ パスワードを教えていただけないでしょうか？ (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月26日 0時
