君へのSong (ページ7)

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数日後。

今日はストリートライブはやらないらしく、わたしは夕方からのシフト。

陽気な電子音とともに透明な扉が開く。

「いらっしゃいませ！何名様で…」

現れた男の人にわたしは思わず、伝票を落としてしまった。

「1人です…って、え？Aちゃん？」

黒い革ジャンを羽織った正門さんが立っている。

「な、なんでいるんですか？」

「たまたまこっちの方にくる用事あって久しぶりに行こかなって思ってんけど」

正門さんがわたしが落とした伝票を拾い上げる。

「まさかAちゃんもここでバイトしてるとは知らんかったわ」

「…ありがとうございます」

伝票を受け取りながらも動悸が止まらない。

ダサい制服姿だし、メイクだってバイトモードだから手抜きだし…とテンパっていると

「すいません。お客様どうかいたしましたか？」

わたしが入り口でトラブってると思ったらしい大吾さんが早足やってきた。

「あ、大吾！久しぶりに来たったで！」

正門さんが笑顔で片手をあげる…

って、え！！！！！！？？？？

「なんやねん、正門かよ」

「待って待って。歓迎してや。久しぶりに来たったのに」

いやいやいやいや・・・

「どーいうことですか？？？」

わたしがまるでアニメの動きみたいに二人の顔を交互に見ると

「あー。知り合いやねん」

大吾さんがだるそうに答える。

「ちょっと大吾、知り合いってひどない？親友やんか」

そう言って正門さんはにこにこ微笑んでいた。