†狂ったアナタは王子様†【実.況.者】

____…第9話…____ ページ9

「…はぁ?違う違う。普通のロックじゃなくて、訳分かんないの。量が多すぎる。
多分、ここの城のパソコン、全部ハッキングできない様になってる。」



誰かと会話している?それよりも、さっきから、つわはすさんの話している内容が気になる。


スピーカーフォンにしたのか、通話中?の相手の声も聞こえた。




「アホか!んな事あるわけないやろ!!誰かが、城中のパソコンにロックをかけまくって、
つわはすくんが操作できないようにしたって事か!?」




…関西弁?ずいぶんと高い声だな。女の子?でも、話し方的に、男性っぽい。




「…多分、ヒラくんだ。あの人、初めて会った時から、俺のことすっごい警戒してたし。
怪しまれてたんだろうね。」




さっきから、会話の内容が怪しすぎる。国王を名前呼びしたり……





「でも つわはすくんなら、そんくらいのロック、すぐ解除できるやろ?」


「おー。今、16個のパスワードが解けた。まあ、解除が出来ないわけじゃないけど…
この調子で行くと、二年くらいかかりそう。」


「…どんだけ大量のパスワードかけたんや…あのクソ女が………」


「ヒラくんは男だよ。」




ふと、この前、国王にお菓子を出したときの事を思い出した。




“国王、作業が全然進んでないじゃないですか……パソコンで何してるんですか?ゲーム?”


“あはは。そう。ゲームゲーム”




……あの時か。国王ってば、パソコンばっかイジって、何をしているのかと思えば…

城中のパソコンにロックをかけていたのか。


しかも、つわはすさんだけが操作できない様に、工夫とかしたの…?




すると、部屋の中から聞こえていた、キーボードを打つ音が、聞こえなくなった。


ん?不思議に思い、扉に耳を近付ける。





「レトさーん。今の、緑川Aに聞かれたわー。」





部屋の中で、ため息混じりの声が聞こえた。



……ん?


………………………ん!?



目の前の扉が、音を立てて開いた。



「どうする?殺していい?」


は!?


無線っぽい物を手に持って、無表情でこちらを見る。


待って待って!?あの、優しくて包み込むような笑顔のつわはすさんは何処!?




ころ……おお!?殺す!?



「アカーン!!女の子に乱暴なんて、俺が許さん!!その子を連れてこい!!つわはす!!」


「お、おっけー……」



相手が、物凄い剣幕で大声を出したので、

つわはすさんが若干引いていた。



無線を切ったつわはすさんは、私の腕を掴んで、睨んだ。



「…てことで、来い。」




………え。

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