†狂ったアナタは王子様†【実.況.者】

____…最終話…____ ページ49

「女王様、おはようございます!!今日もお美しい!!」


「おはようございます」とお辞儀をして、墓地に座り込む。
そして、ため息をつく。国民のみんなが、笑顔で挨拶してくれた。


してくれたのは、いいんだけれど…



「『女王様』って……恥ずかしいなぁ………」

「じゃ、離婚しよっか!」


「!?ヒ、ヒラさ…………離婚!?」

「あはは。冗談だよー。」



確かに、国王と離婚すれば、私は『女王様』とは呼ばれなくなるけど。

ニコニコして、弾むように跳びながら、私の隣に座った。



「ヒラさんて、髪の毛にこだわりでも あるんですか?すっごいサラサラですけど。」

「いや〜?よくサラサラって言われるけど、別にないよ。」


「そうなんですか。若いときに髪がサラサラな人って、年を取ったらハゲるらしいですよ。」




ガッと肩を掴まれた。



「マジで………!?フジみたいな ふわふわヘアに変えよう……
リンス変えよう……!!あとドライヤーとアイロンも……あ、ブローの仕方も変えよう」


「めっちゃ髪の毛こだわってるじゃないですか!!てか手入れしすぎでしょ!?ア、アイロン!?」


ハッ、と我に帰ったヒラさんは、「手入れなんて してないよ?」と笑顔で言った。


「ヒラさんて、女の子じゃん………ね、こーすけさん……」


目的地に着き、こーすけさんのお墓に話しかけた。
こーすけさんとは、一度しかお話ができなかった。だけど、とってもいい人なんだな、って心から思えた。

そんな、素敵な人だった。



「えへへ。こーすけこーすけ!!あのね、僕たち、結婚したんだよ!!」



利き手の左手でピースする、ヒラさん。その薬指の、指輪が光る。


「僕がAちゃんを、幸せにするんだぁ。」



微笑んだヒラさんに、腕を掴まれた。そして、重なる唇。

ん!?顔を離すと、カアッと赤くなる私と対称に、余裕そうにニコニコするヒラさん。


!!
お城の窓から、ニヤニヤこちらを見る、キヨ、フジさん、ミク。うわぁ…!


「幸せになろうね!!A!!」


ぎゅうう、と強く抱きしめられた。は、恥ずかしい!!

…けど、嬉しくて、コクッと頷いた。



“こんにちは。突然ですが、ここに国を造りたいと思います”

“お願いだから!!今の状況分かってる!?”

“俺、やっぱお前のこと好きだわ!”



今までの思い出が、脳内を駆け巡った。キヨ、フジさん。……ヒラさん。




「幸せになりましょうね!ヒラさんっ!」






みんな、大好き。





†狂ったアナタは王子様†*END*

____…あとがき…____→←____…第48話…____

ラッキーアイテム

大きなカマ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す