____…第31話…____ 作者は関西弁が分からないので、間違った使い方をしていたら すみません ページ31
良かった。二人とも、まだ息はしている。でも、苦痛そうに表情を歪めている。
フジさんは軽傷で気絶しているだけだけど、キヨは出血多量で重傷だ。私の言葉にも反応しない。
…これは、時間の問題かもしれない。
一体、誰がこんな事を…
「きみ、誰?」
鼻のつまったような、少しイントネーションの違う声がした。
さっきの蟹を食べている人だった。頬杖をつき、キョトンと不思議そうに私を見る。
「そんな事より、なんですかこれ!?キヨとフジさんが……」
「国王。緑川Aとヒラくんです。」
二人の重なった声が聞こえて、そちらを振り向く。
ピシッと立ち、胸に手を当てるつわはすさんと、ポケットに手を入れて 目を閉じる眼鏡の男の人。
すると、蟹の人は、パアッと表情を明るくした。
持っていた蟹を投げ捨て、私の所まで大ジャンプをした。
「きみが、つわはすの言ってた緑川Aちゃんな!!」
手をガシッと掴まれ、あまりの勢いに圧倒された。
目を輝かせ、子供みたいに笑う。なんか、犬みたい…しっぽが見える。
と、私と彼の繋がっていた手を、上からすごい勢いでチョップされた。
手が離れ、間にサラッと緑色の髪の毛が入った。
「ただの挨拶やで?手繋いだくらいで怒らんといてや。ヒラくん。」
「きみの名前を聞きたいな。」
「申し遅れました!私は、この平和王国の国王、レトルトと申しまーす。」
パッと距離を離し、笑顔を見せる。…うちの国王と同じ。作った笑顔には見えない。
幼く見える。
シルクハットのつばを 指でなぞり、お辞儀した。
「よろしくね、レトルトくん。これは君がやったの?」
国王は目だけ動かし、床に倒れているキヨとフジさんを見た。
すると、レトルトさんは顔を上げた。
「あまりにも敵対心むき出しだったし、先に攻撃して来たのはキヨくん達やもん。正当防衛やろ?」
これが、正当防衛……?
床にしゃがみ、キヨの頬をつんつん突っつく彼。
ふつふつと怒りが湧いてきて、レトルトさんの方へ歩いて行った時
私より先に、レトルトさんの首もとを勢いよく掴んだ。
「…何するん?ヒラくん。」
血で染まったパーカーが揺れ、両手でレトルトさんを掴み上げた。
もう、どちらも笑っていない。
初めて見た、殺意で満ちた緑色の瞳。レトルトさんの首もとの襟を、ぐいっと締め上げる。
国王は、「怒っていた」。
すると、カッと大きく目を見開き
「ぶっ殺す。」
国王は、小さく、囁くように呟いた。
____…第32話…____→←____…第30話…____
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
