____…第28話…____ ページ28
Aside
冷たい石の床で、ボーっとする。はあ。フジさんを拐って、何が目的なんだろう。
というか、助けてくれる唯一の望みが消えた。
頭がいいフジさんなら、私に気付いて助けてくれると思っていたけど、捕まってるしなぁ。
キヨはアホだから、この事態に気が付かないだろうし、
…国王は………………
助けに来てくれる訳がない。
無事に帰ったら、謝ろう。そして、私の何がダメだったかを聞こう。
正座していた足が痺れ、足を組み直そうとした時
「こくおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!フジを見つけたぞぉぉぉぉおおおおお!!」
うわあ!?何!?
遠くから聞こえたけれど、物凄く大きい声だった。
今の……キヨの声だった。…フジさんを、助けに来たのかな。早く仲直りをしてほしい。
って
キヨ!?キヨなの!?何してるの!?声大きすぎるでしょ!?バレちゃうよ!?
あの大人数の敵を相手にできる訳がないでしょ!?
バッと立ち上がろうとして、手首に激痛が走る。
この、見たことの無い固そうな手錠をかけられていたのを忘れていた。体も縄で縛られているし。
手首から血が流れた。
あー…思いっきり立ち上がろうとしたから、痛い。
仕方なく、壁に寄りかかった。
鼻がむずむずして、クシュンッと2、3回クシャミをした。
…床が冷たいし、なぜか寒い。
「……秘書?ここにいるの?」
「わぁい!?あああ、はい!!ここにいます!!って………」
今の声………
違う。そんな訳がない。
カチャッと、控えめに、ゆっくり扉が開いた先に、立っていた人物は
「こ、国王……!?なんで……………」
言葉を失った。
なんでここにいるのかにも驚いたけれど、それより、その姿を見て驚いた。
「な、なんで…血だらけなんですか……?」
「トマトケチャップ。」
いや、ちょっと…平然と嘘をつかないで頂きたい………
いつもより素っ気ない態度なのは、やっぱり怒ってるのかな……
そして、私の前に膝をつき、縄と手錠を片方ずつ握った。
「あ、駄目です。国王。この縄、何か刃物がないと切れません。あと、この手錠は鍵がないと……」
言い終わる前に、バキッと、鈍い音がした。
…え?
ゆっくり下を見ると、
縄はボロボロになっていて、手錠は粉々になっていた。
「刃物が、何?」
「あ、いえ…何でもないです…」
………素手!?
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
