ホットミルク ページ42
…………夜……
この世界に来てからの、何度目の夜だろう。
予想では50回目くらいだと思う。
あっちの世界で、母はちゃんと生きているだろうか。
そんなことを考えていたら眠れなくなってきてしまった。
眠いけど、寝れない。寝たいのに、眠れない。
寝てしまいたい。でも、寝れないのだ。
少しイライラしていると、
コンコン……
竜「カナタ様。」
スイゲツだ。 今では執事のようになっている。
『入っていいよ。 ……で、どうしたの?』
竜「やはり起きていらっしゃいましたか。
お疲れのようでしたので、ホットミルクをお持ちしました。」
ホットミルク……! 懐かしい。
『ありがとう。 嬉しいよ、スイ。(ニコッ』
竜「///// いえ、お気になさらず。(笑った……可愛い……!)」
……この会話。 身に覚えがある。
前世の執事との会話だ。
スイゲツは本当に前世の執事に似ている。
竜「!? カナタ様……? どうされましたか?」
気づけば私は泣いていた。
『えへへ……ちょっと、前世の事を思い出しちゃってね。 大丈夫。 ……なんか、泣けてきただけ。』
ちょっと強がってみる。
一応主な訳だし、かっこ悪いから……。
でも、ちっとも涙はとまらない。
次から次へと涙がおちる。
すると、見かねたスイが
竜「……少しは俺を、頼って。」
そう言って抱きしめてくれた。
一人称が俺だったことと、初めてタメ口で喋ってくれたことがなんだか嬉しかった。
安心する……私よりも分厚くて、綺麗で、滑らかな肌が首筋にあたる。
『も……ひど……い。 安心したら……もっと涙が出てきたじゃない……。』
竜「クスっ……可愛らしいですね、お嬢様(ボソッ」
『あの……えっと……』
竜「どうされましたか? なんなりとお申し付け下さい。」
『……今日は、一緒に寝て……。』
竜「えぇ。 分かりました、カナタ様。
(カナタ様はもう少し危機感をお持ちになった方がいい! 異性と同じベッドで寝るなど……理性を保つのも、楽じゃないのですがね……。)」
彼は私を、自分の胸のなかに入れ、頭を撫でてくれた。
似てるんだ……とても。
前世の執事と。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2021年6月29日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 分かります! 私もリムル様とディアブロ大好きです! 今後はディアブロもだしてみようと思います。 とても参考になりました。 そしてコメントありがとうございます! 今後もよろしくお願いします☆ (2020年1月12日 21時) (レス) id: ce3a9023ca (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リムル様とディアブロ大好きです ディアブロの名前私が付けたかったなぁ〜って思ってしまう← (2020年1月12日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 本当ですか!? 嬉しすぎます。 超ゆっくり更新ですが、ご期待に応えられるよう全力を尽くしますので、是非! これからもよろしくお願いします☆ (2020年1月9日 22時) (レス) id: ce3a9023ca (このIDを非表示/違反報告)
夢御神槌(プロフ) - すっごく面白かったです!!これからもがんばってください!!!!壁|ω・)ハイ ヒョッコリハン (2020年1月9日 21時) (レス) id: f59e7bfd64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼方 | 作成日時:2019年11月16日 23時