#転生してみた

プロローグ ページ1

よし、誰もいないですね。


私、彼方は今、死のうととしております。
どうしてか。それは、私が生まれた家に問題がある。


星咲 家。これを知らない人は恐らくいないでしょう。なんせ、日本有数の名家だから。
私は周りから期待されて生きてきた。兄は馬鹿だった。頭も悪いし、運動音痴だし、デブだし、かっこよくもない。まさに馬鹿。しかし、私には、兄が羨ましく思えた。何も考えずに、ただただ自分のしたい事をして生きているのだから。兄は、幸せ者だ。


それに対して私は、周りからは綺麗な顔立ちだと言われている。さらに、勉強も割とできる。東京大学のテストくらいなら、余裕で100点を取れるだろう。そして、運動神経もいいほうだと思う。ちなみに、中学一年生の私の50m走自己ベストは6.73だ。


だから、私は、期待されたんだ。昔は素直に嬉しかった。あぁ、私は、いい子なんだって思ってた。でも、問題を解く時にミスをすると、叩かれたりもした。辛かった。


そして、ついに、唯一私に優しくしてくれていた父親が死んだ。


もう、私の心の支えはなくなった。


じゃあ、死んでしまおう。


そう思って、迷うことなく十階の窓から飛び降りた。


なんだか風になったみたい。風が優しく私を包み込む。気持ちがいい。清々しい。


ちらりと上を見ると、そこには母の絶望したような顔があった。ごめんね、お母様。こんな方法で、ごめんね。


私、よく、お前は顔だけがいいとか言われてたなぁ。


《エクストラスキル「魅せる者」を獲得...成功しました。》


ん...？なんか、熱いものが...。これが涙かな。暑いな。


《「火炎攻撃無効を獲得...成功しました。」》


私、いっつも人の言いなりになってたからなあ。誰かを下につけるってのもいいなぁ。


《エクストラスキル「支配する者」を獲得...成功しました。》


グシャッ...


グッ。痛い。


《「超速再生」を獲得...成功しました。続いて、「物理攻撃無効」を獲得...成功しました。》


そう言えば、お父さんがお母さんに色々言われてるのに、私はただボーッとしてるだけだったな。結局、誰一人守れなかった...。


《エクストラスキル「守る者」を獲得...成功しました。》


《アルティメットスキル「激流之王」を獲得...成功しました。》


《アルティメットスキル「治療之王」を獲得...成功しました。》


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