42. 必死な思いは。 ページ44
「翔くんとニノの便、到着を確認してから、帰ってんで。大ちゃん。」
この言葉が意味することくらい、いくらニブい俺でも、分かる。
「あんだけ天気変わったら空港があぁなること、大ちゃんなら分かるんちゃうかな？ほんでニノらの便、燃料ギリギリやったやろ？」
確かに、そうだ。
どの飛行機も、かなりの余裕分の燃料を積んで着陸はしないが、俺たちの便は、櫻井さんが「燃料危機」を管制に連絡するほど、その中でもだいぶ、ギリギリに近かった。
「必死やってん。なんか、大ちゃん。いつもはな、なんや他の職員に気ぃつかって、大人しゅう、じいっとしとるんやけどな、さっきは違ったわ。」
「余りにも必死やから。俺らに、必死に伝えようとするから、俺らもなんやもっと頑張らなあかん！って。大ちゃんがプラン作るの、サポートせなあかんっ！ってなってな。」
「おかげでみんなで頑張って、乗り越えられた感じやねん。もちろん、大ちゃんのプランが全部完璧やったのが一番やけど。俺、めっちゃ嬉しかってん！」
すごいねんな。誰かのためにっちゅー思いは、必死な思いは、伝わるねんな。
マルのその言葉に、俺の心は、熱くなった。
ほかほかと...ではなく、ぶわっと、熱く。
言わなきゃ、伝えなきゃ。あの人に。
「ありがとっ。マル。本当に。お疲れ様。」
にこっと笑ったマルの顔は、少しの疲労がみえ、だけど、達成感に満ちていた。
「ニノも、おつかれさん。なんや、昨日はええ一日やったわ...あーーー！！資料...間に合わへん...(泣)。」
テンションが上に下に、忙しいマル。
「手伝うよ、今度。」
「ありがと... って、今度かい？！」
もー(笑) と、落ち込む、分かりやすい人。
いつも真っ直ぐ、ちゃんと人の心に、寄り添える人。
俺はもう一度、ありがとうを言い、櫻井さんがいるであろうところへ、走り出した。
43. あなたのために。(ちょっと、修正)→←41. あのとき、地上で。
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櫻宮 - 大野さんの繊細な心と翔くんの強い気持ち…それを優しく見守る3人が何だか"ほっこり"して凄く好きです！mioさんのお話もっと読みたいです！！ (2019年11月7日 12時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
リカ(プロフ) - こんにちは。先日、旅行に行って参りました。機内から空を見ていたら、もう一度物語が読みたくなりお邪魔させていただいています。2人の物語、5人の物語、幸せな気持ちになります。 (2017年9月4日 22時) (レス) id: c3477e2eb7 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 沙羅さん» 沙羅さん。コメントありがとうございます。ふあふあ大野さん、感じて頂けて嬉しいです☆これからふあふあじゃない彼も、しょーくんとの揺るぎなさも、お届け出来たらなと思います！ラストシーズンまでぜひ、お付き合い頂けたら嬉しいです(^^)よろしくお願いしますっ♪ (2015年3月18日 9時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 大野さんのあのふあふあかん最高です！櫻井さんの過保護な感じにきゅっときますね、笑色んな関係が見え隠れしてて読むのとてもわくわくします (2015年3月17日 10時) (レス) id: ca60bde7d3 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - えりんこさん» えりんこさん♪お返事遅くなりすみません(;_;)ありがとうございます。嬉しいな。麗しの青さんだなんて、ほんとに嬉しいです。えりんこさんのお話の、凛とした青さんも、私大好きです！なかなかうまく表現できなくて困っていますが、また読みに来て下さったら嬉しいです (2014年11月20日 17時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2014年6月7日 22時
