21. 似合ってるよ。 ページ21
俺は今、空港の中を歩いている。
フライトに必要な資料など、全てが入ったキャリーケースを持ち、キャップを被り、少し前を行く櫻井さんのあとに続き、俺たちの搭乗機を目指していた。
途中、コントロールセンターで櫻井さんの居所を聞いた女性と、すれ違った。
女性に、朝のお礼と、無事櫻井さんと出会えたことを伝えると、「良かったわね。」と俺に笑顔をむけ、続いて櫻井さんに、「大野くんは、大丈夫？」と聞いた。
「もう戻っています。あとのことはマルに頼みました。」
そう答えた櫻井さんにホッとした表情を浮かべ、
「それにしてもね、大野くんが頭痛で医務室にいることを伝えたときの、慌てっぷりったら、ね。」
見るに耐えなかったわよ、撫で肩がさらに撫でてて、と言って、笑った。
櫻井さんの過保護っぷりは、もはや周知の事実(笑)、らしい。
「いいんです！誰になんと言われようと、心配なものは心配なんですぅっ！撫で肩は関係ありませんっ！」
盛大に笑う彼女。
でもそんな二人の話をする彼女は、とても優しい顔をしていた。
この人も、マルって人も、多分、センターにいる人みんなが、二人を暖かく、見守っているように思えた。
なんとも言えない、ふんわりと、儚げな大野さん。そんな大野さんを、大事に大事にしている、櫻井さん。
二人の間を流れる優しい空気を思いだし、俺もなんだか、心がじわっと、暖かくなってきた。
「似合ってるわよ。」
彼女が言った。
「よい旅を！」
「あ... 、ありがとうございますっ！」
憧れて、憧れて止まなかった制服、似合ってる...だって。
嬉しかった。我ながら子どもっぽいけど、本当に、本当に嬉しかった。
時刻は午前11時30分。
いよいよ、俺の初フライトの時刻がせまる。
俺は、さっき思い出した暖かい気持ちとともに気合いを入れ直した。
「行ってきます。」
櫻井さんとともに女性に頭を下げ、俺は再び、搭乗機へむけ、歩き出した。
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櫻宮 - 大野さんの繊細な心と翔くんの強い気持ち…それを優しく見守る3人が何だか"ほっこり"して凄く好きです！mioさんのお話もっと読みたいです！！ (2019年11月7日 12時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
リカ(プロフ) - こんにちは。先日、旅行に行って参りました。機内から空を見ていたら、もう一度物語が読みたくなりお邪魔させていただいています。2人の物語、5人の物語、幸せな気持ちになります。 (2017年9月4日 22時) (レス) id: c3477e2eb7 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 沙羅さん» 沙羅さん。コメントありがとうございます。ふあふあ大野さん、感じて頂けて嬉しいです☆これからふあふあじゃない彼も、しょーくんとの揺るぎなさも、お届け出来たらなと思います！ラストシーズンまでぜひ、お付き合い頂けたら嬉しいです(^^)よろしくお願いしますっ♪ (2015年3月18日 9時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 大野さんのあのふあふあかん最高です！櫻井さんの過保護な感じにきゅっときますね、笑色んな関係が見え隠れしてて読むのとてもわくわくします (2015年3月17日 10時) (レス) id: ca60bde7d3 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - えりんこさん» えりんこさん♪お返事遅くなりすみません(;_;)ありがとうございます。嬉しいな。麗しの青さんだなんて、ほんとに嬉しいです。えりんこさんのお話の、凛とした青さんも、私大好きです！なかなかうまく表現できなくて困っていますが、また読みに来て下さったら嬉しいです (2014年11月20日 17時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2014年6月7日 22時
