13. 後悔。 ページ13
感情的になってしまった、俺の話は止まらない。
「せっかく拾ったのに、ってゆうか、あそこまでビックリしなくたって...」
そこまで言って、俺は我に帰った。
そして、思い出した。
目の前にいるこの人が、今俺が、イライラに任せていわゆる陰口をたたいた人を、それはそれは優しい眼差しで、見つめていたことを。
大切なものに触れるように、そっと優しく、髪を撫でていたことを。
「あっ...！す、すみませんっ！！ 」
俺は慌てて頭を下げた。
何てことを、したんだ。
我ながら、状況を読めないにもほどがある。
そもそも、ちょっと反応がなかったからといってイライラするなんて、子どもっぽすぎる。
恐る恐る、櫻井さんの顔を見ると、
櫻井さんはだまって、なんとも言えない切なげな表情で、俺をじっと見ていた。
「あの、本当にすみませんっ。」
俺はもう一度、頭を下げた。
あんなに大切そうにしている人を、こんなふうに言われて、腹が立たないわけないだろう。
あぁ、もぅ、終わったな、と思った。
「二宮くん。」
冷たい声が返ってくることを覚悟していた俺にかけられたのは、優しい優しい、声だった。
「もうそろそろ、オペレーションセンターに行く時間だ。悪いけど、先に行っててもらって、いいかな？二宮くんの意見も、聞きたいし。今日の飛行ルート、考えてもらっていてもいい？君なりので、いいから。」
「あ、はい... はいっ！」
「ありがとう。」
櫻井さんは、ニコッと微笑んでから、俺のカップも手に取り、返却口へ向かった。
俺が片付けます！といったけれど、「お祝いだから。」と、またニッコリ笑って歩き出した。
返却口のお姉さんに、にこやかに「ごちそうさまでした。」と挨拶し、だんだん遠くなる櫻井さんの後ろ姿を見ながら、俺は、自分のしたことに、激しい後悔と、自責の念を、強く強く、感じていた。
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櫻宮 - 大野さんの繊細な心と翔くんの強い気持ち…それを優しく見守る3人が何だか"ほっこり"して凄く好きです！mioさんのお話もっと読みたいです！！ (2019年11月7日 12時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
リカ(プロフ) - こんにちは。先日、旅行に行って参りました。機内から空を見ていたら、もう一度物語が読みたくなりお邪魔させていただいています。2人の物語、5人の物語、幸せな気持ちになります。 (2017年9月4日 22時) (レス) id: c3477e2eb7 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 沙羅さん» 沙羅さん。コメントありがとうございます。ふあふあ大野さん、感じて頂けて嬉しいです☆これからふあふあじゃない彼も、しょーくんとの揺るぎなさも、お届け出来たらなと思います！ラストシーズンまでぜひ、お付き合い頂けたら嬉しいです(^^)よろしくお願いしますっ♪ (2015年3月18日 9時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 大野さんのあのふあふあかん最高です！櫻井さんの過保護な感じにきゅっときますね、笑色んな関係が見え隠れしてて読むのとてもわくわくします (2015年3月17日 10時) (レス) id: ca60bde7d3 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - えりんこさん» えりんこさん♪お返事遅くなりすみません(;_;)ありがとうございます。嬉しいな。麗しの青さんだなんて、ほんとに嬉しいです。えりんこさんのお話の、凛とした青さんも、私大好きです！なかなかうまく表現できなくて困っていますが、また読みに来て下さったら嬉しいです (2014年11月20日 17時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2014年6月7日 22時
