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百合が感じ取れるのは邪気だけではない。
体力の消耗は激しいが特定の人物の気配を探知できる。
これは龍の瞳の力の後遺症である。
いつまで使えるかもわからない不安定な能力だ。
「だいたいの方向はわかった。」
しかし百合は早くも次の壁にぶち当たる。
「これはボウケンジャーのミッションじゃないよね…。」
プレシャスが関係していないとなると、ボウケンジャーとして変身することは許されない。
そういう規則なのだから守らなければ。
百合は見た目より生真面目だ。
(それでも何かできることがあるはず。)
かと言って声の主を見捨てることもできない。
作業着から着替えると、百合の足は躊躇なく外へ向かっていく。
“ちょっと出かけてきます。”
父が探さないように工房のパソコンにメモを貼りつけてから、サージェスを抜け出した。
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作者名：kanade | 作成日時：2021年5月9日 22時
