【第六十話】 ページ13
「Aの様子はどうだ?」
「そ、それが...ここに来てから窓の外をボッーと見つめたままで...」
「まるで、お人形さんみたい...」とオルコットはボソッと呟いた。
彼女の言う通り、Aは此処に連れてこられて以来一寸も動かなくなった。
親しかったトウェインやジョンにも会わせたが、視線を少し合わせるだけ。
彼が椅子に持たれ込み外を見つめる姿は、人形そのものだった。
表情筋一つ動かさず、目は虚ろ。どこか虚空を見つめるような、そんな顔付きでいる日が何日も続いた。
食事を取るも茶を出すも、昔の様な美味しげな顔はしない。
あくまで無表情、ただ体の為だけに摂っているに等しかった。
「...A」
お前はそれ程、此処に帰りたくなかったのか...?と、団長のフィッツジェラルドも頭を抱えた。
以前の様な、あの写真に見せてくれた様な笑顔は何処へ...。
────〇────
一方探偵社。こちらもこちらで混乱に誘われていた。
「鏡花と島村が行方不明...?」
「はい...、鏡花の方は手掛かりが全くありませんが、島村の方は...」
「...ギルドか」
「恐らく...」
国木田は社長に一例の報告をしていた。
鏡花は手掛かりが全くなく、Aはギルドに攫われた、というのが今の状況である。
どちらにせよ、探偵社に代打的なダメージが与えられたのには変わりない。
「すみません社長!島村に関しては、俺の監督不行届です!」
国木田は社長に頭を下げた。
今頃Aはどうなっているだろう、人身売買される前に回収するにはどうすればいいだろう...と、色んなことが国木田の脳内をぐるぐる回っていた。
「...島村が戦力から奪われたのは大きなダメージだ、だが恐らく売られてはいない」
「...と、言うと?」
「国木田、社員全員を集めろ、緊急会議だ。島村のことに関してはその時話す」
それだけ言うと、社長は国木田に指示を出した。
社の緊急会議はすぐ様開始された。
218人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時