【第五十八話】過去ノ思匕出四 ページ11
「それに君、自分がどんな人間を殺.しているのか知っているのか?」
「そんな...悪い奴ら...でしょ?」
「違う、特に罪を犯.していない団長の命に背いた人間だ。
君は正義を貫き通してるつもりかもしれない、でも違う」
『君が貫き通しているのは、団長の人形だ___』
団長の、人形...。
ジョンはそう忠告だけすると、俺の前から去っていった。
俺が団長を疑うようになったのはその日からだ。
幾らアレを殺.せ、ソレを殺.れと言われても、今まで感じていた正義感や達成感は何も得られなかった。
「ん?どうしたA、何か最近変だぞ」
「え...。そ、そうかな?」
「ああ、その証拠に茶が不味い」
トウェインは渋柿でも食べているかのような顔で茶を啜った。
「...団長と喧嘩でもしたのか」
「いや、そういう訳じゃないんだ。寧ろ甘えさせてもらってる」
「じゃあ何?もしかして、これとか」
そう言いトウェインは小指を立てた。
最近はモンゴメリと仲良いもんな〜、とニヤついた顔をした。
「フッ...そういうトウェインこそ、早く可愛い彼女作りなよ」
親しい仕事仲間との気休め程度の何気ない会話。
しかしそれすらもストレスと感じるようになったいた。
────〇────
それから一年、俺の団長への不信感は増すばかりであった。
どれだけ一緒にいても、どれだけお茶を淹れても、どれだけ一緒に会話をしても、まるで楽しくない。
以前までのあの楽しかった日々が嘘かのようだった。
『そうだよ。僕はね、異能力を使うとどんな難事件も一瞬で分かっちゃう能力なんだ』
『僕の所...武装探偵社に来れるといいね』
俺はただ、あの人に憧れていただけなのに...。
一体何処から、道を踏み外してしまったのだろう。
憂鬱な頭を上げ空を見上げると、今日は酷いどしゃ降り具合だった。
「あ、オルコットさん!」
「うぇっ!?な、何ですか...?」
「団長、部屋にいた?」
「ぃい、居ましたけど...」
「そっか、ありがと!」
コンコンとドアをノックをし、団長に声を求める。
「入って来い」と言う声がしたので、俺は団長の部屋へと入っていった。
「ん...どうした、Aじゃないか」
「...団長、話があるんだ」
何時にない俺の真面目なトーンに何か察したのか、「分かった、外で話そう」と言った。
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時