Dekigokoro・別館４

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yb.


疲れてんなぁ。

広げた腕に迷いなくダイブしてくる。
普段なら『やだ』で終わるかんな。

「疲れた？」

「まぁまぁ。あー口周り固まるぅ」

台詞多いもんね。

肩線とか、昔に比べればしっかりしたけど。
全身の力を抜いて俺に甘え倒すいのおは、『こういう生き物いるわ』感が強くなるし、『こういう生き物』にしたのは半分俺かと、密かに自惚れてる。

寝ると言い出したから、ベッドまで送り届けた。
まぁ普段はそこまでやんないし、何なら雪崩れ込むパターンだ。

少し話しただけで寝入ったいのおの髪にキスをして、間接照明にした部屋を出る。

リビングに戻り、追っかけ再生をして暫く集中。
一人ならこのまま見続けて寝落ちもアリだが、今夜はここまでと決めた所でテレビを消した。



「やっぱやられてるか…」

水のペットボトルを持って寝室に行けば、ど真ん中ですやすや眠るネコ科が一頭…。

「どけー、いのおー」

小さく小さく。起こさないように。
なんて気遣い無駄。起きねぇし！

「どーいて、いのおー」

「んーぅー」

しめた、起きた？

「ぇええ………」

抱えられちゃったよおい。

こいつクーラー嫌いなんだけどさ、熱帯夜も不快だろ？
説得して妥協策として、タイマー採用なわけよ。

それにしても目の毒だな。胸元の黒子ちゃん、ドアップ過ぎて焦点ボケまくりだけどいい匂いで触りたい案件。

長ぇ。最近のマンガタイトルか。

一先ず脱出に成功し、蹴倒してる薄掛けで包んでやった。

「ん…来る？」

不思議なんだよなぁ。爆睡してんのに、ちゃんと差し出した腕ん中に収まるの。

離せないよな。


「おやすみ」

デコチューして目を閉じた。

多分暑くて目が覚めるな。

頼むから蹴り落とすなよ？


end☆

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