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kei.
「ケイ？どーかした？」
気配が変わって結界が強まった。
上手くやれよー、ユーヤ。
「何でもないよヒカ。…それなに？」
バサバサと寝台に足されてる毛布や掛け物。もしやと思うけど。
「それ全部掛けるの？」
「だって外はすごく寒いし、ケイは病み上がりだもの。暖かくしなきゃ」
いやそれ多いから。
「大丈夫だって」
「なんでぇ」
「忘れた？おれまほーつかいよ」
ついでにおまえもね。結界張るから、物理的な防寒具はいらない、って。
何度も教えた筈なんだけどなぁ。
一枚、二枚。ついでにもう一枚。
人差し指を上下して、引き剥がした掛け物目掛けくるりと円を描いた。
元の戸棚に、畳まれ飛び込む掛け物たち。おしまい、とばかりに扉をパタリ。
「鮮やかだねぇええ」
「ヒカルだって出来るでしょ」
「多分中身が飛び散るよ？」
「どうしてかねぇ」
昔から魔法センスおかしかったけど、とうとう直らずかぁ…。
代わりに薬草の知識を与えて良かったわ、ホント。
「ヒカルはさ…コータをどう思う？」
差し出された果実酒のグラス。芳香を味わい一口。かたや両手で果汁の入ったカップを持ってる、ほややんな横顔に聞いてみる。
「コータ？可愛いよ。ぁ、あのね居ないと心細いかも」
「へー？」おや？これは期待しても…。
「狼姿がねぇ、めっちゃくちゃぬっくいのっ」
「……」
この子に色気を求めたおれが馬鹿だった。
子狼が不憫で愉快だこと。
「今夜はね…儀式のためにあの二人が一緒にいるんだよ」
「儀式…？」
「魔法使いなら判るよね、ヒカル」
銀狼が乱獲される
ほんわかしてた表情がハッとなり、おれを見つめてくる。
「�犇簣気痢�大人になる前の体液はあらゆる病、傷を治癒。但しその効能は同族に限られる�瓠�
魔法書の一部を
「じゃあ…」
「そう。コータの体液なら、ユーヤの傷を治せる」
それは交わりによって初めて効能が出るものだ。故に異種族間では成立しない。
なのに。
「半端に本を読んだ阿呆が、半端に知識を広めたせいで、いつしか銀狼そのものが不老不死の象徴みたく言われるようになったんだよねー」
お陰で彼らは追われ、数が激減し、貴重種となることで更に狙われる悪循環。
「ケイ…」
「泣きそうな顔しないの。……責めてもいいよ？」
そう言いながらおれは結局、おれの狼を優先したのだから。
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夏夢(プロフ) - 黄色いうさぎさん» 黄色いうさぎさまはじめまして☺️わぁ、何度も読んで頂いてるんですね☺️ぉ、おおぅ旗部屋リピートも(恥(／▽＼)ｷｬｯ)💦こちらこそありがとうございます😆励みになります💕 (2022年9月14日 12時) (
レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
黄色いうさぎ(プロフ) - こんばんは、始めまして夏夢さん。夏夢さんの作品を定期的に読み直しています。回路…や尾行シリーズも好きです。旗部屋も😁どれも素敵なお話達、やさぐれた私の心を癒やしてもらってます。ありがとうございます (2022年9月13日 22時) (レス) id: ef1652ec47 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ちぃちゃんさん» ちぃちゃんさま、拙話を寛ぎのお供にだなんて、恐縮でございます😆ありがとうございます(照)💕子狼くん、またお目見えしました時は遊びにきてくださいねー😊💕 (2022年5月3日 16時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - 連休で時間がたっぷりあるのでシリーズ読み返していて、「回路…」の薮伊野にキュンときました。 薮伊野大好きですが子狼くん達のお話も大好きで読み返してはやっぱり作者さんの紡ぐお話大好きだなと改めて思いました。 (2022年5月2日 20時) (レス) id: bdaf2a3994 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ましろさん» 食べられてしまいましたねー(^-^;そうなんですよ、お話の肝なのにさくっとし過ぎてしまいまして…これは覗き見案件なんでしょーか(￣▽￣;) (2021年2月19日 20時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏夢
| 作成日時：2020年3月20日 23時
