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yuya.
「………コータの言う通りだよ、ユーヤ」
「っ…ヒカルくん」
「ケイはそんなこと気にしない。大丈夫だよ。…第一ねぇ」
それまで落ち着いた口調だったのに、さらっといつものヒカルくんに戻った。
「どーっでもいいヤツなんて鼻にも掛けないよ、ケイは」
一瞬沈黙があって。続く一同の溜め息が部屋に広がった。
「そーいやそーだ。俺が拾われたのもぜってー気まぐれだし」
「うーん…まぁ、好き嫌いハッキリはしてるかな」
「ウワサってたまに真実なんだねぇ」
ラストのリョースケの呟きに、反応したのはコータくんだ。
「おまえ知ってたの？魔女たちのこと」
「直接は知らなかったよ。でも魔法使いの長のくせにお城に居なくて、イケメン用心棒と気ままに旅をしてるってのは有名だもん」
「長って何だ？お城って？」
「えーと。魔法使いの中で一番偉い人。お城は王様が住んでるとこ」
「へー。何か判んないけど偉いのか？」
コータくんの素朴な疑問に「マスターは偉いんだよ」と答えた。
「噂は別に、俺達が流したわけじゃないけどね」
「そうなのか？」
まだ疑ってるような彼の耳が、ピクリと跳ねた。
「気が付いた！」
「え、おいっ」
止める暇なくダッシュされたら、俺の立場がないんだけど。
「まぁまぁ。蜂蜜湯作るよ。待ってて」
「頼む」
マスターが目覚めた…。
「よかった…」
ポツリと呟けば、隣にやって来たユートが微笑む。
「ところでね。そっちの話だけど」
言わんとしていることを察し、頷いてみせる。
それは、まだまだ回復に遠かったマスターが、最低限動けるようになるのを待ち此処までやってきた理由の一つ。
「安心して。大丈夫」
「そっか…」
「大丈夫、まだまだコドモだよ。貴方がたの再訪をずっと待ってたくらいだからね」
それなりに長く生きてるユートは、俺達が無理を押してここまで来た、もう一つの理由を判ってる。
「待っていたのか…」
そして、そこまで懐かれていたことに、荒んでいた気持ちが和らぐのを誤魔化しきれない。
それだけに…。
「ちょっと気が引けるな」
「それはそれだよ」
肩を竦め、小さく笑い合う。
時折疼く傷も、心なしか軽くなった気がした。
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夏夢(プロフ) - 黄色いうさぎさん» 黄色いうさぎさまはじめまして☺️わぁ、何度も読んで頂いてるんですね☺️ぉ、おおぅ旗部屋リピートも(恥(／▽＼)ｷｬｯ)💦こちらこそありがとうございます😆励みになります💕 (2022年9月14日 12時) (
レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
黄色いうさぎ(プロフ) - こんばんは、始めまして夏夢さん。夏夢さんの作品を定期的に読み直しています。回路…や尾行シリーズも好きです。旗部屋も😁どれも素敵なお話達、やさぐれた私の心を癒やしてもらってます。ありがとうございます (2022年9月13日 22時) (レス) id: ef1652ec47 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ちぃちゃんさん» ちぃちゃんさま、拙話を寛ぎのお供にだなんて、恐縮でございます😆ありがとうございます(照)💕子狼くん、またお目見えしました時は遊びにきてくださいねー😊💕 (2022年5月3日 16時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - 連休で時間がたっぷりあるのでシリーズ読み返していて、「回路…」の薮伊野にキュンときました。 薮伊野大好きですが子狼くん達のお話も大好きで読み返してはやっぱり作者さんの紡ぐお話大好きだなと改めて思いました。 (2022年5月2日 20時) (レス) id: bdaf2a3994 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ましろさん» 食べられてしまいましたねー(^-^;そうなんですよ、お話の肝なのにさくっとし過ぎてしまいまして…これは覗き見案件なんでしょーか(￣▽￣;) (2021年2月19日 20時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏夢
| 作成日時：2020年3月20日 23時
