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振り返るとそこには目に涙を溜めた彼女が居た。恐怖からかその声は震えていて、俺は考えるより先に彼女の両肩を掴んだ。


「大丈夫やったか!?何もされてへんか!?」

「う、うん……大丈夫…」

「っ…は〜……………良かった…」


息をついてその場にしゃがみこむ。何も考えず走ってきてしまい、後ろからやってくる足音にはっと顔を上げた。


「なぁ、おっさん。もうここのビーチの管理棟に連絡入れたからさっさと行けや」

「逃げようたって無駄やからな。証拠写真、俺ら全員で保存済みやから…分かったらさっさと自首せぇ」


ゾムとトントンが倒れた男を囲んで脅す。恐らくショッピくんが状況を伝えてくれたのだろう。


「せっ…生徒会長…!?」

「ああ、コネシマがいきなり走り出すから何事かと思えば…ウチの生徒やったんか」

「あ、今日のラーメン屋で注文取りに来た子やん」

「そうなのか?」

「そういやぁグルさん丁度居らへんかったから見てへんのか」


話を聞くに、どうやらAは例のラーメン屋で働いていたらしい。恐ろしい偶然だ。きっとゾムたちについて行ってたらそこでAと鉢合わせになっていただろうが、きっとその時点の俺では何も言えず無視していた自信がある。

こうした形だが彼女に声をかけられて安心した矢先、ゾムが俺を押しのけてAに詰め寄った。


「ちょお…!お前っ…!」

「なぁ、キミ何年生なん?」

「に、二年生です」

「じゃあ先輩やんな!俺ゾムっちゅうねん。今年入学した一年や。いやぁー、先輩可愛ええな!おっさんが声かけるのも何となく分かるわ」


ゾムの可愛い、という言葉にAが照れているのか反応に困っていた。見ていられず、俺も負けじとゾムを突き放す。


「だぁー!!ゾム!!Aにベタベタ触んなや!」

「えっ、シッマの彼女なん?」

「ち、ちゃうけど…」

「というかコネシマ、お前その人と喧嘩してたんじゃないのか?」

「っ…!な、んで、グルッペンが知っとんのや」

「おっと口が滑った」


わざとらしく口を抑えたグルッペンを睨んでいると、近くにいたゾムが実はと代わりに説明をした。


「大先生に今日海に行けって言われてん。シッマが喧嘩した相手が海にいるから、仲直り手伝ってやれって」

「珍しく大先生が突っ込んでくるから何かと思えば…まさか、な」


トントンが意味ありげに俺に目を配らせた。つまり、ここでAに会ったのは偶然ではなく、大先生に動かされていたということだ。

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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると、まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです!! (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーや | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年2月13日 12時

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