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俺の答えが意外だったのだろう。Aは呆気にとられてぽかんとした顔をしていた。そんな彼女に、流れを利用して俺も同じように問う。


「…Aは、居らんの?そういう相手」

「どう、なんだろ…はっきり好きって思う相手は今のところいないけど…」

「………けど?」

「気になる人は…………いる、かも?」

「っ…」


は?と思わず口に出しそうになって、寸前で止める。

マジか。居るんか。いや、別に何もおかしくは無いのだが。誰だ。Aと仲の良い奴…………駄目だ大先生しか思いつかん。彼女は基本的に誰に対しても分け隔てない性格のようだが、もしアイツだったら最悪だ、頼むからそれだけはやめてくれ。

彼女の返答に頭の中はぐちゃぐちゃにかき混ざって、途端に焦りが出てくる。


「………誰や」


それでも冷静を装って、静かに彼女に質問を重ねる。しかし彼女は明らかに目を泳がせた。


「そ、それはひみつ!シッマは?誰なの?」


だが、簡単には教えてくれないらしい。


でも、そうやって俺に同じ質問を返してくるなら。
少し、ほんの少しくらい、期待してもいいのだろうか。


勉強会、のはずだったのだが、それから生まれてこの方した記憶のない恋バナとやらに花が咲いてしまい、勉強には手がつかなかった。


「…そんなら俺もひみつや。教えへん」

「えぇ〜?誰だろう、気になるな。シッマが好きになるくらいなんだから、相当できた人なんだろうね」


それ、誰やろうな。

伝わって欲しい。伝わってくれるな。

そんな真逆の気持ちが内側で競り合う。
お前が好きだと伝えたら、彼女はどんな顔をするのだろう。もし俺の手に入った時には、俺は…


「………せやな。ほんまに、できた奴やわ」

「意外と素直なんだね?シッマって」

「意外とって何や。いつでも素直や俺は」

「はははっ、ほんと?」


絶対に、手放さない。









【春】-終-

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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると、まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです!! (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーや | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年2月13日 12時

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