小さな神威くんの飼育係

新章 第4話 『犬猿の仲』 ページ19

私が真選組に来てからはや3日、
新しい生活にも段々と慣れてきたが、
一つだけ絶対に慣れない人物がいる







そいつの名は






『総悟！！あたしの部屋にエ〇本ぶちまけ
たのお前だろ！！！』





「何の事だか分かんねェや」





としらばっくれるこいつの胸ぐらを掴み
取っ組み合いが始まる、そして






ゴチン、ゴチン







「うるせェぞテメェら！！！
静かにしやがれ！！！！」






と土方さんの拳が私たちの頭にヒットする
それが今日常になっている






『女の子にゲンコツするなんて……！』






と涙目になり頭を抑えていれば
総悟の口から






「メスゴリラの間違いだろ」






なんて聞こえたもんだから
私たちの追いかけっこが始まり、
それにキレた土方さんが私と総悟を追いかける
ハチャメチャな毎日になった。






「まーた副長がAちゃんと沖田隊長
追いかけてんぜ？」





「Aちゃん来てから隊舎は明るくなったよなあ
沖田隊長も副長も満更でもないしな
局長に至っては俺の娘なんて言いふらしてんだ
ぜ？」






と笑いながら話す隊士の声は聞こえなかった








ー
ーー






『ん？剣術？』





「ああそうだ。今からお前に覚えてもらう」






と突然土方さんに宣告された昼下がり。





またなんでそんな...とげんなりしていると
隣にいた総悟がこう言った






「俺達もこんな仕事柄で
お前にもしもの事があった時のためを思って
土方の野郎は言ってんでさァ
それに、お前ろくに外に出てねェから
出してやりてェんじゃねぇのかい」





とチロリとあたしを横目に見る総悟、
それを聞いて
なんだ土方さん結構優しいじゃん！
と口に出すと彼は照れたように顔を背けた






「...いいから道場行くぞ」






『ハイハイ。照れ屋さんなんだから〜！』





なんて調子づいて言ったら
総悟に何故かケツを蹴られた







ー
ーー






『ふんんんんごおおおおおお！！！』





「……刀さえ持てねぇとはな」






と早々に諦める土方さん






すると総悟が木刀を投げてきた






『ん？あ、まだこっちのが持てる』






「いいから適当に打ち込んできなせェ」






と総悟が言うものだから
とりあえず憎しみを込めて木刀を振るった







『 なんであたしの前から居なくなったんだよ！！』





ガンっ！！






『会いに来なよって、
どこだよお前の世界わ！』







「あいつ誰にキレてんだ？」

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