せめて今日だけは消えないで3 ~fin~ 【ARS】 (ページ19)

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智side

智「翔ちゃん、今から言う公園まで来て！」

親子と別れたあとすぐに翔ちゃんに電話をかけた。

翔『えっ、ニノ見つけたの？』

智「まだ見つけてない。でもこの公園の近くにいる可能性が高いと思う」

翔『了解、すぐ行く』

最低限のことしか
電話を切り自分もその公園へと足を速める。

智「っと、ここか？」

看板を見るとさっき母親が言っていた公園の名前が書いてある。

ここで間違いないみたいだ。

公園をさっと見渡すが、さすがにこの雨の中、公園に人気はない。

やっぱりもう移動したんだろうか。

周りを探してみようと公園を離れかけたその時、端にあるベンチで丸まった背中を見つけた。

智「ニノ？」

見覚えのある背中、紛れもなくニノだった。

智「ニノ！大丈夫！？」

膝を抱えて丸まっているニノは服も髪も雨に濡れビチャビチャ。

和「ん……りぃだぁ…？さむぃ……」

ニノの顔は真っ白で唇は紫色。体もぶるぶる震えている。

頬や腕を触ってみるとありえないぐらい冷たかった。

翔「智くん！」

智「翔ちゃん！ニノ見つけた！」

ここで連絡していた翔ちゃんが駆けつけてくれた。

翔「ニノ…！どうしてこんなところに？」

智「ごめん、説明は後で。今は早くニノ連れて帰ろう」

翔「そうだね、俺がニノ運ぶよ」