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吸血 52 ページ7

ルイside

初めは冗談のつもりだった。

Aが思い詰めたような顔をして学校から帰ってきたから、大神クンに告白されたのか、と聞いた。もう、違うよ!と赤くなったAに否定されると思っていたのに。

否定するどころかビクついて何も反応しなかった。それは冗談で言った告白の件が、本当だという肯定だ。

Aはどうするんだろうか。告白に何て返事をするのだろうか。何でだ、胸が痛い。心の中は大暴れなのに、こういうときだけ表面上はどうでも良さそうな態度になってしまう。心の中が大荒れ過ぎて表面との温度差がすごい。

聞けばOKはしないらしい。なんだ、安心した。なら早く伝えるといい。心の中が落ち着いて、何故か優越感に満たされた。

次の日に早速返事をしたらしい。Aの態度から今まで通り“友達”で過ごすことになったみたいだな。絶交だったら泣いて帰ってきそうだ。

櫻木さんから連絡で、緊急収集がかかった。連れてきていいと言われたAと共に聞いたことは。

『人外同族殺し作戦』。生き残った一人の種族は、人間を一人、好きなようにすることができる。殺すのも、おもちゃにするのも、危ないことをするのも、全て自由。その人間に何をしても、人外を法で裁くことは出来ない。

つまりは生贄(イケニエ)だ。これ以上暴れないようにという貢ぎ物の役割。人間が同じ人間を売る。

澪「すでに公表された。誰か一人でも伝わり、同族を殺せば、この作戦の火蓋は切られる。殺傷事件が多くなると思われる。心してかかるようにっ!!!」

全「はっ!!」

皆が一気に姿勢を正す。

澪「話は以上だ。言っておくが、ハンターはいつも通り人外排除を続けてくれ。では解散」

俺たちは納得出来ず櫻木さんのところへ向かった。

ル「櫻木さん!」

澪「ん?ああ何だ、ルイか」

ル「………説明して下さい」

人外同族殺し作戦は最後の手段だ。それも人外が何をしても消える見込みがない場合のみ。減り続けている今、やる必要はないはずなのに。

澪「説明も何もその方が楽だからだ。俺たちは手を汚さなくて済む。これは上からの指示だ」

文句を言うなと目が伝えている。櫻木さんだって、間違っている行為は聞くだけでも嫌だろうに。

澪「ルイ。その子だけは、何が何でも守れ」

そう言って、また歩いていった。

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設定タグ:埋夜冬 , オリジナル , 吸血鬼   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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まどか - りょーかい、待ってるね!! (2018年8月27日 16時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとー!それじゃ戦いを終わらせられるよう、頑張りまっす! (2018年8月26日 10時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - うんうん、凄い!!私も早速投票させてもらったよ(^^♪ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» アンケート作ってみた!どうかな?上手くできてるといいけど………。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - オッケー、待ってるっ!! (2018年8月24日 21時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年5月26日 0時

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