【ONEPIECE】異世界修学旅行 III

宴中 ベストファミリー ページ34

『＿＿＿サッチ。新しいカクテルを頼む』


「おっ！仰せのままに、お姫様」





私は食堂のカウンターに座って、カクテルが出来上がるのを待つ





「…モテる女は辛いってか？」


『なんだ…見ていたのか』


「んまぁな」





ほれ、とサッチはブルームーンを渡し、カウンター席の私の隣に座る





『料理は作らなくていいのか？』


「結構、腹一杯のやつが多くなってきたからな＿＿＿＿＿Aは全然そんな事なさそうか？」


『まァそうだな、まだまだ食べれるぞ、私は』





サッチの方を向いてニヤッと笑うと、サッチも同じように笑う

なんだかんだ、彼が1番気の合う家族かもしれない

普段食生活においてお世話になっているというのもあると思うが、他にも色々相談に乗ってもらうことも少なくないしな





「ったくおれも結構大変なんだぜ？アイツらのAの惚気を聞いたり、彼氏面するエースの話を聞いたり」


『か、彼氏面か……いや、なんかすまないな』


「ハハッ！気にすんな！！皆可愛い妹が気になって仕方ないんだよ」





サッチはカクテルを飲む私の頭をぽんぽんっと撫でて優しく笑う

帰ってしまったら、こうやって優しく笑って頭を撫でてくれる人もいなくなるんだな

教授はそもそも優しくないし、数え切れないほど殺されかけたし





「……あと、数時間か」





不意に、サッチがそう呟いた





『……そうだな、今日の21時までには私は帰らなければならない』


「寂しいもんだなァ…可愛い妹が船を降りちまうのは」


『会いに来るのは少々難しいが、不可能ではない。もっとレベルの高い魔法士になったら、それこそ毎日会いに来るさ』





私がそう答えれば、サッチは「そうじゃないんだよなァ」と小さく呟いて

少し困ったように笑った





「とりあえず！永遠の別れじゃないってんなら、おれも安心して見送り出来るな」


『永遠の別れだなんて、そんな事絶対にさせないさ。この私がな』





私はさっきサッチが私にしてくれたように、サッチの頭を撫でる


するとサッチは照れたように笑って、そしてそれを隠すように厨房へと入って行った





たまには私にも、甘やかさせてくれよ









.









.









.









「おれが言いたいのは、ずっと隣にいてくれって事なんだけどなァ…」








ブルームーン：叶わぬ恋

宴中 家族だから→←宴中 支配欲

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す