肆・神様は旦那様【QK】

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「今日はwhat最終ラウンドです。緊張しますよね。
私も緊張してますし、スタッフもみんな緊張してます。
…あ、伊沢さんは緊張してませんでしたけど。
お昼何？って朝一で聞かれました。」

クスッと笑いが起きる。

「お昼のお弁当は美味しいもの用意してるので、期待しててください。
ブドウ糖やガムも用意してるので、欲しい方は声掛けてくださいね！
あ、私に声かけるとア〇フォートが貰えるのでぜひ声掛けてくださいね。

さて、みなさん。少し緊張はほぐれましたか？
私たちは皆さんに楽しんで頂きたく今日の舞台を用意してきました。緊張や不安に負けずに1問でも多くクイズを楽しんで頂けたらと思います。」

ニコニコと学生に笑顔で軽いプレッシャーをかける。

ピリついた空気が少し柔らかくなり、
しかし集中力は切らさないそんな空気感。

「大丈夫です、皆さんの強さは本物です。
自信を持って楽しんできてください。
では、今から30分後に第1ステージが始まります。
お手洗や水分補給を事前に済ませて用意お願いします。」

はい！っと返事をされ一安心。
シーンってなったら、この後の空気最悪だったよ…
河村くんめ…
この担当にした旦那様に軽く悪態をつく。

「すみません。」
「はい、〇〇さんどうしましたか？」
「え？名前覚えてるんですか？」
「はい、プロフィールは一通り確認しましたので。」
「あ、そ、うなんですね？…あ、あのア〇フォートって貰えますか？」
ちょっとビックリした顔をする彼。
私は早速のア〇フォートに頬を緩ませた。

1人、また1人、少しづつ減っていくファイナリスト。
奇しくも敗れた彼らを控え室に案内するのもまた私。

あの問題さえ、あそこで押してれば…
彼らの悔しさは私には計り知れない。

「みなさんはクイズ楽しめましたか？」

私が困ったように言葉を呟くと、
悔しかったけど、楽しかった、だからこそもっとクイズをやりたかった！などの声が聞こえる。

「そう、楽しかったならよかったです。
悔しさは次回のバネにして頂けると、まだまだ皆さん強くなれる。私はそう思います。」

よかった、私たちの思いは通じてる。
ニコニコと彼らを見回すと、少しだけ明るい雰囲気になった気がした。

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