好きだと素直に言えたなら Ⅱ《Ren.N》 (ページ39)

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それから月日は流れて冬が来た。

廉『俺もいよいよ大学受験かぁ。』

紫『廉頭いいし大丈夫やろ。』

A『大学かぁ。また廉が先を行くんだね。』

廉『頑張って追いつけよ？』

A『今回ばかりは難しいかも…死ぬ気で勉強しないとなぁ。』

廉が受験するのは成績で一・二を争うところ。
頭がいいなんてレベルじゃなかった。

A『また廉と離れるの…？』

廉『あ、やべ。泣くかも。』

紫『えっ？あっ、えっと、A？』

A『寂しいな…ｸﾞｽｯ…』

廉『高校生にもなって…ほら、おいで。』

A『廉と離れたくないよ…』

涙を流す私を廉が抱きしめる。
ここにいるよと安心させてくれる
心地よい胸のリズム。

廉『こいつ本当に泣くとすぐ寝る(笑)』

紫『これだけ愛してもらえてると、廉もなんか罪深いな。』

廉『こいつずっとこれやからな。小学校も中学校も高校も全部こんなふうに泣くから。』

紫『ずっとずっとAだけを見てきたんだな。』

廉『俺にとっての生き甲斐なんだよな。』

紫『運命共同体だな。』

廉『それ以上。こいつとはそんな言葉じゃ表せれへんくらいのもんがあるからさ。』

廉の背中は心地よくて
廉と紫耀くんがこんな会話をしてるなんて
全く知らなかった。