４０億の時の針

時・46 ページ48

◆ 太輔・side ◆

連絡先とか知っていれば文句の一つも言えるが 何も持たないA。



連絡を取りたい時は、大家さんって… できるか！！



「もう〜… 」



あっちもこっちも〜！八方塞がりとは このこと。



「どいつもこいつも〜〜！とくにA！！」


「Aちゃんが 何？」



げっ… 渉…



「べ、別に… 」


「そ？」



どうしようか… 渉に相談した方がいいかな？


Aのこと知ってるの 渉だけだし…



「そう言えば、Aちゃん黄金伝説みたいな生活してるんだって？一日１００円的な？」


「い！？一日１００円！？」



でも、有り得そう… Aなら…



「ま、そうじゃないと 大学まで行かせられないよな、奨学金使ってないみたいだし」


「何でワタ、そんなに詳しいわけ？」



俺、そんなこと全然知らない…



「東さんと拓斗からいろいろな」



…



「でも、周りがいい人ばかりだから 恵まれてるよな」


「お前も我儘言ったりすんなよ、彼氏でもなんでもないんだから」



我儘って…



会えないんだから 言えないつーの…



おまけに彼氏でもないって… その通りだけど。



Aも俺が想いを抱いてるなんて これっぽっちも思ってないよな…



はぁ〜… 思ったら会いたくなってきた…



「ところで元気なわけ？」


「へ？」



え？え？



「『 へ？ 』じゃねぇーし、Aちゃんだよ、元気なわけ？」



…



「し、知らない… 」


「知らない？なんで？」



うっ、じ〜っと見過ぎなんですけど…



「… また？」


「違う！寝坊なのか、朝 来ないんだよ」



あの翌日から会えなくなったことを話した。


すると 渉がスマホを触り始めた… たぶん 相手は東さん。



「ちゃんと時間通りに出勤してるって」


「え？じゃあ、何で… 」



会えないわけ？



「何々？？『 いつもは走ってくるからデコ全開で笑えてたのにさ 』だって」


「走って出勤してたんだ、だったら 少し早く出ればいいのに」



少し早く… ？



もしかして 今まで散歩してて 遅刻しそうだったとか？



「それより、玉が心配してたぞ」



…



「別れたいなら 会いに行けって」




別れる…




…




― 『 太輔〜！ 』 ―




― 『 好きだよ！太輔！！ 』 ―




…




― 『 ありがとうございます！これも大切にします！！ 』 ―





なぜだろう…





交互に二人の笑顔を思い出す…

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