何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ49)

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113話ページ49

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ヒソカとマチ

やはり二人だけの雰囲気を持ってるマチが羨ましかった

貴『(はぁ...もう悩むの、やめよ)』

どうやって足掻いても、マチのようにはなれないし、マチのようになったところで解決する問題でもなかった

貴『(嫉妬...してるんだ)』

人知れず落ち込んでるとき、カルトの視線に気付く

貴『ん？』

ｶﾙﾄ「...」

貴『何かついてる？』

ｶﾙﾄ「兄さんの...」

兄さん...以前はイルミの事を言っていたが、先ほどまであっていたキルアが先に思い浮かんだ

貴『キルア？...イルミ？』

後者にゆっくりと頷くカルト

貴『イルミが、どうかしたの？』

ｶﾙﾄ「兄さんのお気に入りだから、」

貴『誰が？』

ｶﾙﾄ「Aさんが。」

はじめて名前を呼ばれたことよりも、カルトの発言の方がインパクトがでかかった

貴『え！？私？』

ﾉﾌﾞﾅｶﾞ「なんだぁ、A。モテモテじゃねぇか！」

おじさん臭く色恋沙汰を囃し立てるノブナガ

貴『モテモテ？』

ﾉﾌﾞﾅｶﾞ「え？シャルナークもお前のこと...」

マチから睨まれ途中で口をつぐんだノブナガだったが、もはや全ていってしまったも同然だった

ﾋｿｶ「A、行くよ♠」

少々刺々しく呼ばれ、除念師の交渉へ向かった

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こちらもお金に糸目はつけなかったし、向こうもさほど難色は示さず、交渉はほぼスムーズに進んだ

ﾋｿｶ「彼のゲームクリアまで待てば、除念、ねぇ♠」

貴『でも必ずしてくれるって。』

ﾋｿｶ「ああ♦」

貴『後でクロロに連絡しないと...』

ﾋｿｶ「...♣」

先ほどから少し固い二人の空気に耐えられず、ヒソカに聞く

貴『何か、怒ってる？』

ﾋｿｶ「いいや♠」

貴『そう...』

ﾋｿｶ「強いて言えば...」

貴『？』

ﾋｿｶ「キミが人気すぎることに怒ってるよ♦」

少々困ったように笑うヒソカに

一瞬驚いたが、すぐに笑顔で返した

貴『私はヒソカしか見えてないよ。』

ﾋｿｶ「ｸｸｸ♦」

満足そうに喉をならす彼

だが、クロロからの依頼の達成が意味することはクロロと除念師を引き合わせるだけでは無い

Aが暗黒大陸の任務へ戻ることも含まれていた

少し寂しそうに、ヒソカが問う

ﾋｿｶ「これからもボクのそばにいておくれよ♠」

おそらく、彼は私の返答を分かってる...

だからそんな表情なのだ、それを理解した上でAも薄く笑いながら答えた

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