過去と今と未来と (ページ8)

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渡辺side

朝早くとはいかないがそれなりの時間に全員が起きた今日の天気は少し暑く、空は雲ひとつない晴れだ

今日は何をしようかと考えていると

「めっちゃ晴れてんじゃん！
バーベキュー日和だよ！」
誰かがそう言い始め皆んながいいねそれ、と賛同し準備をすることになった

食材をなどは全部家にありバーベキューセットとプールセットを出して準備が終わる頃にはお昼を過ぎていた

「お腹すいた！」
「はやくたべよーー！」

テンション高めに皆んなは外へ出て早速バーベキューを始めていた
皆んなが食べ終わった後に食べればいいかな、そう考えて自分の分だけ確保し日陰で休んでいた

しばらくして喉が渇いて飲もうと立ち上がった
そこでバーベキューセットの隣にカセットコンロがあり、誰も使っていないのに火がついていることに気がついた

「危ないなあ、誰だよ、」
止めようと手を伸ばしたまま、何故か動けなくなった
目を逸らそうとしても揺れている火を見たまま動けない、それと同時に何とも言えない不安に襲われた
そんな不安の中、今まではこんな事なかったはずなのにどこかで同じような体験をしている気がしていた
そう頭の隅で考えていたが目を逸らすことはできなくてやっと動けるようになったのは舘さんが消してからだった

「翔太くん、食べました？」
「今から食べるとこ」

何事もなかったかのようにその場はやり過ごしたけどいざ焼こうとすると網の下から見える少しの火にさえも不安を感じる
ダメだ、不安感が気持ち悪い
少し離れた場所にいよう
ボーッとしながら、何故不安を感じたのかを考えていれば皆んな食べ終えてプールで遊び始めていた

暫くして舘さんが話しかけてきた
体調は悪くない、火を見ていなければ大丈夫
それに遊べば少しは気を紛らわせられるかもしれない
騒がしい中へと混ざれば、思っていた通り気を紛らわすことに成功した

ただ何となく火の様子が気になって舘さんの方を見た
顔は見えないが固まっている
どうしたんだろう
心配になって名前を呼ぼうとした時、舘さんは蹲み込んでしまった

すぐに助けにいこうとしたけど舘さんが処理をしていたであろう火の残りが視界に入りまた動けなくなった
更に小さかった火は消える事なく大きくなっていて

今までで一番大きくなった火に
どうしようもない不安感は恐怖へと変わり
そこから逃げるように無理矢理意識を手放した