過去と今と未来と (ページ26)

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大きく傾いた機体は何とか空港の近くまで来たらしい

着陸する準備をと言われ、皆祈るように着陸の時を待っていた

しかし、そんな願いは虚しく着陸をする直前にエンジントラブルが起き墜落した

岩本達は身体を強く打ち付けられていたが
その時は、命に別状はなかった

動ける人達が一斉に外へと出て飛行機から離れると
飛行機は炎上し更に飛行機から距離を取ると爆発した

大きな音ともに炎上している飛行機に気を取られていると救急隊が駆けつけて重症の人たちから順に診始めた

岩本達身体の所々が打撲のようになってはいたが重症ではなかった為、治療されていく光景を見つめていた

少しすると友人が身体の異変を訴え始めた

「照、頭、痛いんだけど、ひかるも、なってる、？」
「俺はなってないけど」

後頭部に手を当てた友人が違和感に気づきその手を見てみると血で濡れていた

「どうして、俺...」
「血、？医者呼んでくる！」

友人は立ち上がった岩本の服を掴み

「、いい...呼ばなくて、ここに、いてくれ...」
「でも！」

岩本が反対すると小さく首を横に振った

それが意味することを岩本は分かってしまった
治療しても自分の容体は良くならないと友人は悟ったのである

周りは変わらずパニック状態であり、ここから医者を呼ぼうにも声は届かないだろう
そう分かってはいたがそれでも治療をしないと、
岩本は友人を助けようと辺りを見渡すが医者は見つからなかった