. ページ17
次に宮舘が起きたのは病院だった
どうやらプールに入ったことにより低体温症になっていたらしい
起きてからすぐにはぼんやりとしか周りが見えなかった
何も考えられず眠りにつき、再び起きたら警察に事情聴取をされた
宮舘はその時、自分がどうしてこのような状況になっているのか分からないかった
事件の前日までしか覚えていない
催し物に行った記憶がなかった
警察は唯一の生き残りである宮舘にどうしても犯人が誰なのか聞き出したかった
ある程度の人物に絞ってはいるものの、被害者の証言が欲しいのである
手柄をあげなければ、と警察はしつこく宮舘に事情聴取を行った
覚えていない事を話せ、と強要されて宮舘の精神は段々と病んでいった
事件から数ヶ月経ち未だに宮舘への事情聴取は行われていた
毎日、宮舘の病室にやってきては、事件について聞いてくる
今までは人物の写真とプールサイドの写真だけを見せていたがプールの写真を見せた時、宮舘に頭を殴られたような衝撃が走った
宮舘は思い出したのである
自分が犯人を.....
改めて認識した宮舘は暴れ、より深く病んでしまった
誰の声も宮舘に届くことはなく、警察は正当防衛だと処理し、宮舘が罪に問われることはなかった
被害者家族の中には犯人をこの世から消してくれてありがとうと感謝する人もいた
誰一人、宮舘を責めることはなかった
数年経っても宮舘の精神は戻らず月日だけが無情に過ぎて行った
明確な殺意のもと犯人を殺めた
その言葉だけが宮舘の頭に残っていた
320人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:coolk | 作成日時:2020年3月13日 19時