Iris【柿原徹也】

41 ページ42

.




社長が出してくれた車で目的地まで向かった
その間もなんとなくソワソワしてしまい上手く話せなかった
チラッと社長に目を向けるとサングラスをしていていつも通りカッコよかった
その時視線に気づいた社長と目が合いサッとさりげなく逸らした



柿原「天気いいな〜」

貴方「ほ、ほんと！お出かけ日和ですね！行くのは屋内ですけど笑」

柿原「水族館なんていつぶりだ？」

貴方「私も全然行ってないです！」



よく漫画とかで水族館でデートするシーン見る事多かったからきっと人気なデートスポットって事だよね！
楽しむ事はもちろんだけど今日はうんと女の子らしさアピールして社長のハートを掴むの！

目的地に着いて車を降りると塩の香りがして一気にワクワク感が押し寄せた



貴方「すぐ隣が海なんだ！すごーい！」

柿原「チケット買ってくるから待ってて」

貴方「ありがとうございます！」



チケットは社長にお願いして言われた通り待っていると突然誰かに声をかけられた
顔を上げると見知らぬ若い男性2人が私を囲んでいた



貴方「何か？」

男性「1人？」

貴方「え？いや、」

男性「可愛いなって思って思ったからつい声かけちゃった」



その言葉に目を輝かせ彼らに近づいた



貴方「可愛い！？本当に！？」

男性「えっ？う、うん！」

貴方「嘘じゃないでしょうね」

男性「嘘じゃないよ！本当に可愛いって！」

貴方「っしゃ！！あ、これってもしかしてナンパ！？」

男性「そうだけど…」

貴方「わー！！初めてされた〜！ねえ髪型とか変な所ないかな！？」

男性「え？うん、可愛いと思うよ…」

貴方「良かった〜！」

男性「ごめん、俺らやっぱり…」



明らかに引いてる様子の彼らに「やば」と思った時、社長の香水の香りが鼻を掠めた
顔を上げると社長が私を隠すように立ち彼らににっこり笑顔を向けていた



柿原「連れに何か？」

男性「あー、いえ！すません！」



ペコペコしながらサッサとどこかへ消えていく彼らを見送った後私に少しだけ怒った顔を向けた



.

42→←40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す